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鞍馬の石で茶室の差し石を施工しました
2016/10/13



昨日は弊社が関わっている茶室工事の現場に行き、茶室の足元を飾る差し石の施工をしてきました。
私自身は現場に赴けず残念ですが、その作業の様子をご報告したいと思います。
まず、なぜ茶室なのかということですが、弊社が親しくさせていただいている奈良のお寺、十輪院さんが、境内に茶室を作られるということで、石が関わってくる部分はわれわれが協力させてもらうことになったというわけです。
今回の差し石だとか、柱の足元を引き締める柱石(沓石)なんかですね。
これまでの経緯につきましては、過去の記事をご参照いただけると幸いです。
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「鞍馬石を求めて」
本格的な茶室作りに関わる機会などなかなかないことですので、弊社としても貴重な経験と思い、取り組んでおります。
さて早速現場ですが、上の写真を見ていただければと思います。
夏に柱石の施工に来た時は、まだコンクリのベースが打たれているだけの状態でしたが、建物の骨組みがかなり出来上がってきているのが見て取れるでしょうか。
われわれが据え付けた鞍馬石の柱石の上にも、もうきちんと柱が乗っているようで一安心です。
で、この柱石と柱石の間に差し石を施工していくわけですが、写真をご覧いただければおわかりのように、仕上がりの高さに比べてベースがやや低めに打たれているので、柱石もかなりセメントを使って足元を上げてやる必要がありました。
この間にズラッと差し石を並べていくとなると、かなりのセメントを練る必要があると想定されるわけなのですが、その前にまず、差し石とは何ぞやという説明をしておきましょうか。
柱石と柱石の間に並べ、茶室の足回りを引き締めるとともに、床下に泥が流れ込んだりするのを防ぐ役割もあるのが差し石です。
柱石よりは二回り三回りほど小さい石を使うことが多いようです。
昔はセメントなど使わず、土の地面に直接差し込んでいたので、まさに「差し石」と呼ばれるようになったのではないか、とも考えられます。
ともあれこれを施工するのが、今回の段階でのわれわれのミッションというわけです。
ちなみに材料としては、いわゆる鞍馬石ではありませんが、同じ鞍馬地方で産出される自然石を使います。
その色合いからマグロと呼ばれるものです。
作業の様子につきましても、写真をご覧いただければと思います。
全体として相当な量のセメントと砂を練ったということが、雰囲気的にでもおわかりいただけるではないでしょうか。
セメントと砂を練ったものをバサと言いますが、板を打ち付けたりしているのは、バサを敷いた上に石を置いて圧力をかけると、まだ固まっていないところがポロポロ落ちたりするので、それを防ぐためのものです。
きちんと石の天場も揃えまして、うまい具合に隙間なくきれいに並んでいます。
石の数も準備していた分で不足することもなく、非常によかったです。
まだ細かい目地入れなどの作業が残っていますが、それが終わってセメントが固まればいい具合になるでしょうね。
茶室の足元に石を施工するという作業は、これで大部分が終わったことになります。
まだ弊社が関わらせていただく仕事も残っていますが、そちらの方も進展あり次第、またご報告したいと思います。
