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巻石のリフォームと新規建墓工事B:二名墓地
2020/10/24



前々回からお伝えしている施工事例の続きです。
二名墓地というところで、墓所のリフォーム工事に取り掛かっております。
リフォームと言ってもいろいろあるのは皆様ご存知の通り。
今回は墓所を囲う巻石の解体据え直し、墓所内に立っている既存石塔の傾き直し=解体据え直し、そして8寸角の新規和型石塔を建てさせていただきます。
こうやって書き出すと、なかなか盛りだくさんな内容のある現場ですね。
ではまず現場をご案内しましょう。
施工前の原状は写真一枚目のような墓所でした。
この写真だとそれほどは目立ちませんが、巻石は合口がどこも緩み、傾きも見受けられました。
前回の記事では、標木を撤去して既存石塔を解体し、お骨を確認したというところまでお伝えしましたが、区画の中がそうして空っぽになりますと、次は巻石に手を付けることができます。
早速ですが、巻石を解体したところが写真二枚目のようになります。
長いものは6尺くらいある延石ですので、こうやって取り外してみるとなかなか迫力があります。
最初の写真をご覧いただいてもわかるように、墓所に向かって左から右へと上っていく坂地になっているので、左側は足元を高くする必要があり、右側は隠れ気味になります。
この墓所の場合、正面などは延石の下に基礎として大谷石を入れて、巻石の足場としています。
この上に巻石をきれいに復元していくわけです。
写真三枚目は巻石を据え直したところの外観です。
四方の水平を取って、きちんと巻石が組まれています。
計測すると、向かって左側の方がかなり下がり気味だったようですね。
右に合わせて延石を置く際に、かなりの嵩上げが必要でした。
傾きの大きな墓所ではこういうことはしょっちゅうですね。
これでまたすぐに巻石が緩んできたりしては困りますので、いつもと同様、補強のためにステンレスの金具も取り付けております。
上から見ると、アルファベットのLの形状をしていますので、L字金具と呼んでいます。
各コーナーにこれを取り付けています。
今回の場合、くり階段の両サイドと四隅とを合わせて、計6か所で使用しています。
ちなみに、真っ直ぐな石同士の継目を補強するための平金具というものもあります。
取り付け方としては、解体し延石の端に、寸法を測ってまずドリルで穴を開け、アンカーを打ち込みます。
アンカーというのは、打ち込むと内部で先端が開き、返しのようになって抜けなくなります。
そのアンカーに金具を差し込んで、ボルトで締めるわけです。
これをするとしないとでは、巻石の強度がまるで違います。
さて、こうして巻石の復元が終わりますと、今度はいよいよ石塔に取り掛かるわけですね。
ここらで稿を改め、次回は完成までご報告したいと思います。
