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巻石のリフォームと新規建墓工事A:二名墓地
2020/10/17


前回からご紹介している施工事例の続きです。
二名墓地というところで、墓所のリフォーム工事を行ないます。
新しい石塔を建てる工事も伴います。
新規建墓です。
ありがたいことです。
前回は現場および作業内容のご紹介に終始してしまいましたが、あらためて現場をご案内しましょう。
写真一枚目をご覧ください。
このような墓所です。
間口2m20p×奥行1m80pくらいの区画に、7寸角ほどの石塔が一基と、標木が一本立っています。
主な作業としては三点あります。
まず巻石に緩みや傾きが見られますので、一旦解体してきれいに据え直します。
巻石のリフォームですね。
それから、既存の石塔も解体して組み直すという形で、傾き直しを行ないます。
そして最後に、新しい8寸角の和型石塔を建てるという一連の流れになります。
さて、工事としては最初に、標木を撤去し、あわせて既存石塔の解体に入ることになりますが、次から次へとどんどん解体ばかりを進めていくわけではありません。
まず区画の内側を空っぽにした段階で、重要な段階があります。
お骨の確認と採骨です。
今回の現場は、現に立っている標木の他に、右側の巻石の上にも、寝ている状態でもう一本標木があることがわかります。
これだけでも、通常ならばお二人分のお骨が埋められているだろうと推測されます。
もちろん、最終的な確認はお施主さんからの聞き取りによります。
標木が立ってはいても、お骨は自宅に置かれているようなケースだって一応は想定されますし、現場にイレギュラーはつきものです。
いずれにせよ、お施主さんに確認しておけば、絶対ないはずのお骨を探してひたすら掘り返したりとか、あるはずのお骨を探しもせずにお墓を建ててしまう、といったミスは防げます。
お施主さんの記憶も曖昧という場合は、墓所内の掘り返しに時間をかけることはありますが。
今回のケースは、お施主さんのご記憶通り、お二人分のお骨を土の下から見つけ出すことができました。
それを晒しの袋に納め、工事が終わるまでは基本的に現場で管理することになります。
既存の石塔の下にはお骨はなかったので、こちらは印として土をいただいておきます。
写真二枚目がそれです。
お骨というのは、お墓の魂のようなものですが、土を採ることはその代理のような意味合いがあります。
同じ墓所の中で石塔を動かすといった場合も、元立っていた場所の土を採取し、移動先にあらためて納めるということをします。
お骨はお墓にとって一番大事なものなので、お骨をめぐる作業はある意味で最も緊張するところですね。
白い晒し木綿も、気分を引き締めるような感覚があります。
さて、これで巻石の解体にも手を付けていくことができます。
このあたりで稿を改め、次回は巻石解体から復元などご報告いたします。
