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墓地の種類C共同墓地
2020/10/07

墓地のいろんな種類、区分について扱ってきましたが、もう第四回となりました。
今回取り上げるのは、共同墓地というものです。
一部例外を除きまして、お墓というのは墓地に集まって立っているもの、逆に言うとお墓が集まっている場所を墓地と呼ぶわけで、寺墓地だろうと霊園だろうと、何らかの共同性を欠いた墓地というのはほとんどありません。
ではなぜわざわざ「共同」墓地と呼ばれる分類があるかというと、この場合の共同とは、墓地の「共同管理」を意味する言葉だからです。
墓地には通常管理者がおり、市営霊園ならば当該の市(の担当課)、寺墓地ならばそのお寺のご住職が墓地管理者ということになります。
で、墓地がある地域の代表者をたとえば「墓地管理委員会」という形で選出し、自治会的なやり方で墓地の管理運営がなされているところを「共同墓地」といいます。
実はこの方式は、関西で顕著なものだそうで、特に奈良は大規模な共同墓地が多いことで知られています。
弊社がよく仕事をさせていただく五条西山共同墓地というのも、そんな大きな共同墓地のひとつですね。
こちらは「墓郷総代会」という組織を設けて、墓地の管理をされています。
新しいお墓の工事をします、ということになると、われわれ業者も墓郷総代会に工事届を提出します。
もっともあらゆる共同墓地がそうであるかというと、一概にそうも言えません。
墓地自体は宗派不問の共同墓地でありながら、管理は近隣のお寺さんがなさっているというケースもありますし、逆に一見境内墓地のような場所にありながら、墓地運営には委員会が置かれているようなところもあります。
寺というのも地域の集まりの主要な一員ですので、役割が入り組んだまま現在に至っているケースも少なくないのだろうと想像されます。
共同墓地の特徴はなんといっても地域密着という点にあり、地元のことは地元で行なう、というある意味で地方分権の時代にかなった方式であるとも思います。
他方、使用者を地元の人に限定していることもあり、広く開かれているとは言い難い面はありますし、その地域に新しく参入してきた住人にとっては、なんとなく近寄りがたいという側面もあったりするようです。
地域付き合いというものの表と裏、といったことになるでしょうか。
ただ、近年では共同墓地でも墓じまいする区画も多く、空き区画が増えているところでは、地域の方に限定せず、広く使用者を募集しているところも少なくないと聞きます。
共同墓地というのは、地域の歴史そのものを担ってきた場所だ、という一面もあります。
もしお墓をまだお持ちでない場合で、地元により深く食い込みたいと願っている方にとっては、地元の共同墓地にお墓を求めてみるというのも、いいことではないかと考えるところです。
次回はこの墓地の分類紹介シリーズの最後として、いずれにも該当しないものを取り上げてみたいと思います。
