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カバと追悼

2020/08/20



先日8月16日放送のNHK「ダーウィンが来た」で、カバを取り上げていました。

カバというと、そのゆったりしたイメージとは裏腹に、多くの犠牲者を出している危険な動物でもあることが、昨今ではよく知られるようになってきているようですが、番組の中で非常に興味深い行動が取り上げられていました。

一頭の死んだカバを狙ってやって来たライオンなどを仲間のカバが追い払い、死んだカバをなめるなどして、あたかもその死を悼んでいるような振る舞いが見られたというのです。

 

一般論として、死を認識し、家族や仲間の死を悼むのは、人間に特有の感性であると言われているかと思います。

死を認識し理解するというのは、人間という高等な生き物に固有の能力である、というわけですね。

イラクのシャニダール洞窟で発見されたネアンデルタール人の遺骨とともに、大量の花粉が見つかり、死者に花を捧げていた跡ではないかと推測されていることも、広く知られています。

ネアンデルタール人は現生人類に直接つながる種ではないようですが、まあその時代には、死を特別な出来事と認知する高等な霊長類がいた、ということになりましょうか。

 

ところで死を意識する、認識するというのは、実に曖昧な観念でもあるわけですよね。

われわれははっきりした意思疎通のための言葉を持ち、他者の死をどのように理解しているか、具体的に伝え合うことができますが、他の動物となるとそうはいきません。

仮に彼らが仲間内で通ずる言語を持っているとして、それは今のところ人間の理解の外にありますし、言語化されない内心だとか感性的な部分で死をどのように把握しているかとなると、ますます未知の領域です。

 

しかし先日の「ダーウィンが来た」によりますと、どうやら哺乳類の中には仲間の死を特別な出来事と意識し、追討に相当するような行動をとっていると解釈される例がますます明らかになってきている、ということのようです。

白骨化しつつある仲間の死体に寄り添うゾウ、死んだ子供を口にくわえて泳ぐシャチなど、死を悼んでいると解釈するのが最も妥当だということなのでしょう。

動物の生態がより広く知られるにつれ、こういった事例はいっそう多く収集されるようになるんでしょうかね。

 

そこで翻って人間を見てみるならば、たとえ死を認識し悼むというのが哺乳類全般に広く観察される行動だったとしても、人間の追悼行動はやはり群を抜いて特殊かつ発達したものということになると思います。

お葬式ひとつ取り上げても、個人として死者を悼むというだけでなく、実に複雑な社会的行動ですよね。

そこまでいくと、宗教というものの介在が重要なものになってくるかと想像もされますが、ひょっとして動物の中でも、ある集団は追悼として行動Aを採用するが、別の集団はそれを忌避する、なんてことが観察されれば、それはもはや宗教の萌芽とすら言えるんじゃないだろうか、なんてことまで考えたりしたのでした。

 

お盆とは別の意味で、死というものを考察する機会となりました。

 


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