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知恩院型灯篭を建てる@:祐楽寺
2019/09/10



今回はいきなり写真をご覧いただきたいのですが、写っているのは祐楽寺さんというお寺の本堂正面です。
お墓の仕事ではいつもお世話になっているお寺さんですね。
奈良市の北永井町に位置する、浄土宗の寺院です。
こちらのご住職、以前は教鞭も取っておられまして、実はわたしが小学校時分の教頭先生でした。
そんなご縁もありまして、懇意にさせていただいているわけです。
で、そんな祐楽寺さんからお話がありまして、この本堂両脇に新しく灯篭を一対建てたい、と。
そこで見繕ってもらいたいということで、灯篭仕事には詳しい弊社会長がいろいろと考えた結果、浄土宗の総本山である京都の知恩院まで赴き、知恩院型の灯篭を建てさせていただくことになりました。
灯篭本体についてはあらためてご紹介するといたしまして、今回は基礎および台石の仕事についてです。
基本的な形状の灯篭というのはだいたい、一番上の擬宝珠から順に、笠石、火袋、受、柱、地輪という部材で構成されています(灯篭の種類によって大きく違うものも多々あります)が、ここで言う台というのは、地輪のさらに下、灯篭本体を乗せるための全体の台石のことです。
これをまず、本堂両脇に据え付けることになります。
とはいえ石の仕事ですので、穴を掘って基礎を施し、台石を水平に固定するという作業については、納骨室を据えたり石塔を組んだりというのと、原理は同じです。
まず据付位置を決め、掘り方を行ないます。
写真二枚目をご覧ください。
これでおおよその台石のサイズ感など、わかっていただけるでしょうか。
向かって右側から出てきて、ニョロっととぐろを巻いているのは、電気菅ですね。
保護のための管の内側に、電気線が通っています。
これを灯篭の芯に通し、火袋の内側にまで引っ張ってきて、電球と接続すれば、スイッチひとつで灯篭の灯りを付けたり消したりできるようになるわけです。
ですので、地輪、柱、受といった灯篭の各部材には、中心を貫通する穴が開けられています。
もちろん台石もです。
据えたところ、写真三枚目のようになります。
いつものように、クラッシャーを敷いて鉄筋を組んだ上に、セメントで石を据え付け、仕上げに周囲の砂利をきれいに寄せて均したところです。
電気菅がセメントを通して台石の下から引っ張り込まれています。
石塔で言えば芝台を据えた、といった段階に当たるでしょうか。
本体を組むための準備完了というところですね。
灯篭本体は、日本の石材加工業のメッカとも言える岡崎の業者さんにお願いしていまして、ちょうどこの前後の時期に完成品の引き取りに伺ったのだったと思います。
本体の施工につきましては稿を改め、次回の記事でご報告したいと思います。
