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新しいお墓の工事B:西大寺奥之院墓地
2019/08/17
随分と更新の間が空いてしまいましたが、前々回からお伝えしている、西大寺奥之院墓地で新しいお墓を建てさせていただく、という工事の続きです。
新規建墓工事です。
ありがたいことです。
最初の記事で現場や西大寺の体性院などについてご紹介し、前回の記事では、土を掘り返して納骨室を据えた、というところまでご報告しました。
今回はその続き、建墓の本丸部分の作業に入っていくことになります。
まずは現場をご覧いただきましょう。
写真一枚目のように納骨室が据わっております。
最初にお伝えしたかと思いますが、今回はこの上に芝台付の8寸角和型石塔を建てることになります。
通常、和型石塔というのは、「南無阿弥陀仏」とか「○○家之墓」と彫られる一番上の石、すなわち竿石に、上台、下台と付きまして、三段で一式なのですが、近年では石塔の背を高くするためや、納骨スペースをより広く確保するために、下台の下にさらにもう一段台を付け加えることがあります。
それが芝台と呼ばれるものです。
元々三段式の石塔が立っているところに、芝台だけを新たに追加する、というような工事をさせていただくこともあります。
写真でご覧いただきましょう。
上の写真二枚目、こちらが芝台です。
この上に下台が乗り、上台、竿石と和型一式を組んでいくことになります。
ご覧の通り、芝台は一個ものの部材ではなく、四つの石の組み合わせでできています。
そのためシンプルに「四ツ石」などと呼ばれることもあります。
四つの部材の組み合わせですので、それぞれが簡単にバラバラになったり緩んだりしてはたいそう困ります。
そこでこれもご覧の通り、内側にはそれぞれの石を繋いで補強する金具も取り付けられています。
直角の部分に当てるので、L字金具と呼ばれているものです。
ここまでやっておけばかなりの強度になりますので、そうそう緩んでしまうことはありません。
さて、芝台の手前に細い金属が見えるでしょうか。
これはメッシュ筋の一部です。
芝台の前に拝石を一枚置くことになりますので、その基礎ですね。
軽く削土した上に、納骨室と同様、クラッシャーとメッシュ筋を施工し、拝石をセメントで据えます。
さらに草の生えにくい土を施工します。
下回りの作業を先行して行なっておくと、あとは石塔の本体部分を組むだけ、という状況になります。
そうすると何がいいかと言いますと、持っていく道具が少なくて済むのです。
石塔の作業も下回りの作業も中途半端に残っているとなると、両方の道具が必要になりますが、職人はそういうちょっとしたところでどれだけ効率的にできるかをいつも考えています。
ちなみに拝石ですが、巻石の高さより若干上げておく方がきれいに見えます。
巻石に揃えてしまうと、玉砂利を敷いた際に埋もれて見えてしまうんですよね。
写真三枚目のように、四方の角が玉砂利からくっきり浮き上がって見える方が、美観としてよいように思います。
さて、墓所全体としてもいよいよ仕上がってきた感じですね。
ここでまた稿を改め、次回は完成までお届けしたいと思います。