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石の置物
2018/12/08



石の置物って興味のある方、おられますかね。
典型的なのは灯篭です。
庭のあるお宅でしたら、普段意識されなくても、雪見灯篭とか飾っておられるところも少なくないんじゃないでしょうか。
昨今の住宅事情に明るいわけではありませんが、おそらくは庭も洋風にコーディネート、というお宅も多かろうと思われます。
しかし和風の庭ならやはり灯篭はよく似合います。
さて、今回は灯篭ではなく、こんな風に生き物をかたどった石の置物です。
最初の写真二つは一目見てわかる亀ですね。
長寿のシンボル、縁起物ということで、置物の定番でもあります。
しかし同じく長寿を象徴する縁起物の生き物である鶴を、石で作った置物というのは見たことがありません。
おそらく探せばあるのでしょうが、鶴の造形というと細く長いクチバシや足というのが非常に特徴的な部分であり、石で作るには相当な技術とバランス感覚が必要なんじゃないでしょうか。
輸送とかものすごく気を遣いそうですしね。
気軽に庭における置物として流通する余地は小さいのかな、などと考える次第です。
ちなみに写真の亀、一枚目の方は甲羅部分に磨きがかけられてあり、次のものはそういった加工はなされていません。
ですので、磨いたものの方がお値段が張る、とお思いになるかもしれません。
ところが実は、下の亀の方が倍ほどするのですね。
どうしてかというと、素材の石が特別高級かどうかといったことではなく、単純なことなのですが、上の亀は中国製で、下の亀は日本国内加工です。
というわけで、単純に人件費の問題が大きいのです。
しかしそれもまた一昔前までの話で、現在はまた事情が変わってきています。
ひとつには、中国の急速な経済成長により、日本との賃金格差も縮小してきているということ。
それからもうひとつは、これも中国経済全体の発展によるものですが、石材加工以外の他業種からも広く人材需要があり、こういった石の加工品を作れる職人自体、中国でも減ってきているからです。
たとえば少し前、見知った方から犬の置物の値段を尋ねられたのですが、飼い犬に似せて新しく作るとなると、そこそこの値段にならざるを得ないとお伝えしました。
ストックのある分以外では、こういう状況は変わらないと思います。
こういったものでも意外と、国際的な経済の動向に左右されていたりする、というお話です。
そうそう、石の置物の定番としては、親子ガエルというのもあります。
写真三枚目になります。
亀は象徴性がわかりやすいのですが、親子ガエルというのは少しわかりにくいですかね。
基本的には子宝とか、豊饒、さらには親子関係といったことになるかと思います。
あと、これは語呂合わせですが、「カエル」と「帰る」をかけて、カエルをかたどったものを身に着けていると、出したお金が帰ってくるなんていうのもありますね。
実物のカエルは嫌いでも、置物のカエルとなるとなんかかわいく感じる、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
家の庭にカエルが置いてあると、たしかにちょっと微笑ましかったりします。
今回は石の置物の話題でした。
