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2023-12-15
合祀墓、というのはこのところ増えてきているお墓の形態のひとつです。
いわゆる永代供養墓の一種でもあります。
「合祀」とはどういうことかと言いますと、個人が区別される個別の納骨スペースを設けずに、どなたのお骨も一箇所に納められることを表現します。
最近は個人や家単位でのお墓を作らず、こういった合祀形態での供養を求められる方が増えているということで、お寺さんなどからご相談いただくことも多くなっています。
さて、このほど合祀式の墓所を作ろうということになったのは、弊社のすぐ近く、いつもお世話になっている五条西山共同墓地です。
こちらは地域の方々が墓地管理委員会に相当する墓郷総代会という組織を作り、墓寺である念仏寺さんとともに運営を行なうという、自治的な墓地ですが、そちらでもいよいよ合祀式の墓所を建立しようという気運が高まり、ありがたいことに弊社にお声掛けいただきました。
今回は少し長くなりますが、その工事についてご報告したいと思います。
墓地側と相談して合祀墓を作っていくとなると、まず現場を確認し、どういった大きさの構造物を建て、どのような外観にするか、など打ち合わせることが多々あります。
一般的なお墓ですと、巻石の内側に和型石塔や洋型石塔を建てるということになりますが、合祀墓の場合は中心に立つモニュメントが石塔になる場合もあれば、観音様のような仏像を置くこともあります。
今回は納骨のための扉が取り付けられる丘カロート的な形の構造物の上に、笠付きの宝塔を建てさせていただくことになりました。
ではまずは敷地をご案内しましょう。
次のような場所です。
五条西山共同墓地は大きな墓地で、入口も何箇所もあるのですが、こちらは墓寺である念仏寺さんの正面の入口から伸びる参道の脇にあります。
最初の現場写真を撮りに行ったのが夏場でしたので、古い巻石が置かれた内側はかなり雑草が生えていますね。
区画の大きさ的には、2メートル×3メートルくらいはあるかと思います。
実際の工事を行なったのは、10月から12月にかけてでした。
作業としては、まずもちろん現場の草を刈り、古い巻石を撤去し、基礎を打ち、新しい巻石を巻き、納骨室と丘カロート部分を作り、その上に宝塔を据え付け、さらに傍らには個人の名前を刻む銘版を入れるための銘版台を置く、ということになります。
あわせまして、参道側から上に上がりやすいように石段を取り付け、区画の手前や背後のスペースを敷石やコンクリ打ちで整備したり、といった作業も行ないます。
なかなか盛りだくさんの大きな仕事となるわけですが、このような仕事を任せていただけるのも光栄なところです。
では実作業の報告に入っていきましょう。
まずは区画内の草刈りですね。
最初に現場確認に行った夏場の段階では、季節的なこともあって雑草がかなり伸び放題になっていました。
実際の仕事に取り掛かったのは秋になってからのことですので、多少は枯れ気味になっていましたが、ともあれ区画をきれいにすることから始めるのは当然のことです。
草取り、削土を行なって、区画内をすっきりさせたところが上の写真です。
古い延石が区画を囲っているのがよくわかるかと思います。
中央に立っている白い杭には「墓郷管理地」と書かれています。
個人が使っている区画ではなく、墓地が管理している区画であるという表示ですね。
「墓郷」というのは、地域の古い言葉で墓地の管理運営に携わる自治的な地域組織のことであり、いわば墓地管理委員会に相当するというのは、上に記したとおりです。
さて、この古い巻石も解体撤去して、完全に新しい巻石を基礎から据え付けることになります。
ご覧のように巻石を外して区画を更地の状態にしました。
この古い延石は持ち帰って処分することになります。
新しい巻石を据え付けるにあたっては基礎打ちを行ないますが、その段取りは通常の個人のお墓を作る時と同様です。
まず基礎を打つべき場所をきれいに片付け、下を支える杭を打ち込みます。
その上にクラッシャー(砕石)を敷いて鉄筋を組み、コンクリを打つ、という手順です。
なお、上の写真の手前側には間知石(けんちいし)の石組みがありますので、杭は打ちません。
鉄筋はいつものようにレール状に組みます。
上の写真、鉄筋の幅が少し広くなっている箇所がありますが、巻石のくり階段にあたる場所です。
つまりその部分が区画の正面になります。
さて、木の板で型枠を組みまして、基礎のコンクリートを流し入れ、形を整えます。
この写真ですと、向かって左が区画正面になるというのがよくお分かりいただけるかと思います。
これがきちんと乾けば、次に新しい延石を据えていけます。
区画の内側には張り石を施すということもあり、気持ち背が高めの巻石になります。
というわけでこの次は巻石の据付に入るわけです。
きちんと基礎打ちを終えている場合、巻石を置いていくのはそれほど難題ではありません。
基礎は仕上がりの高さから逆算して打たれていますし、延石は寸法通りきれいに切られたものですので、もちろん重い石で大変とはいえ、位置を合わせて据えていけばいい、ということになります。
昔ですと、長い石を全部きれいにカットするのは大変だったので、外に見える部分だけを美しく加工し、外から見えなくなる足元なんかはギザギザのままで、現場で高さを合わせるのが職人の腕の見せ所、ということでもあったようですが、昨今は完全加工された延石ですので、そういった苦労はほぼありませんね。
古い巻石を解体して、そのまま組み直すという場合はまた別ですが。
さて、今回の巻石ですが、一般の墓所に使うものと同様のくり階段型で、階段の両脇や四隅など、要所には補強用の金具が入ります。
写真二枚目の左の方をご覧ください。
コーナーにはL字型の金具を入れるのに対して、延石を二本継いだ部分には真っ直ぐの平たい金具を使います。
こうして巻石が出来上がってくると、次は合祀墓の納骨スペースを作ります。
これも通常のお墓のカロートと同様に、板石で箱を組むといった形になります。
一般的な納骨室より薄い部材を使っているのは、普通の納骨室はその上に乗る墓石本体を支える必要がありますが、こちらはそういった必要がなく、純粋な納骨のためだけのスペースだからです。
巻石の内側、納骨スペースの周囲には新しい土とクラッシャーを入れて、よく締めます。
転圧をかけず、踏めば足が沈むような状態の土に石塔など建てると、すぐ傾いてしまいかねませんからね。
土を締めるのも非常に大事な工程のひとつです。
土は巻石の内側いっぱいに入れません。
というのも今回、巻石の内部は玉砂利で仕上げるのではなく、石張りで仕上げることになっているからで、その分土は延石の天端より下げておく必要があります。
こんな感じでとりあえず一段落ですね。
この先、納骨用の扉を付けた基壇部分と石張り、基壇の上には宝塔を建てる、などしていきます。
では基壇から参りましょうか。
石塔の基壇部分、というのはどういうことかと申しますと、先に見たようにまず地下に納骨スペースを設けております。
その上にいきなり石塔を建てるのではなく、納骨の際に使用する扉の付いた、地上構造物を組みます。
単純に言えば、扉付きの石の箱を据え、その天板の上に石塔を乗せる、という段取りになります。
というわけでまた基礎です。
上に載せる石塔(宝塔)も含め、かなりの重量を支えることになりますので、クラッシャー(砕石)を敷いた上にしっかりと鉄筋を組みます。
あわせまして、墓所内には板石を張っていきます。
普通の墓所ですと、区画の中は土を敷いた上に玉砂利を入れることが多いですが、個人の墓所でも石張りをさせていただくことはあります。
雑草など生えにくく、見た目にもきれいなので、お勧めできる工事だと思います。
次のような感じで工事は進んでいきます。
基壇部の一番下、石塔で言えば芝台に当たるところが組み上がり、張り石も三分の二ほど終わったというところですね。
石張りは区画の全体に施します。
一目瞭然かとは思いますが、目地を揃えず互い違いに配置していくのがきれいに仕上げるコツです。
特に基壇部の周囲は、現場加工で板石の形を合わせていかなければいけない、という部分が手間になります。
さて、基壇部分もさらに上を組んでいきます。
四隅に柱を立て、正面が扉、残り三面が壁、という作りになります。
左右の壁に丸い穴が開けられているのは、通風孔です。
もちろん、このまま単なる穴では中が覗けてしまうので、後からステンレスのガラリを取り付けます。
全体として、かなり形になってきたのがおわかりになるかと思います。
残っている主な作業としては、天板を設置して石塔を据えること、銘版台を二台設置すること、区画周辺を石張りやコンクリ打ちで整備すること、参道から上がるための階段を付けること、などです。
こう列挙すると、まだやるべきことは多いですね。
写真は基壇に天板が載ったところです。
免震パッドを置いているところは、通常の石塔工事と同様です。
今回助かったのは、広い参道のすぐ脇にある区画ですので、現場のすぐ横にトラックを付けて作業することができたところでした。
上の写真でも、トラックの白い車体が右側に少し写っています。
搬入なども楽になります。
さて、向かって左に少し写っているのが銘版台です。
普通の墓地ですと、家族単位のお墓になりますので、石塔には「○○家」と刻まれることが多く、故人の戒名(法名)は石塔の側面や、別に霊標を設けて彫り入れることになります。
ところが合祀墓は家族親戚等に関係なく、どなたでも入れる墓所ですし、かなりの人数を供養することが想定されますので、石塔本体に彫り入れるとか普通のサイズの霊標を建てるといったことでは間に合わないわけですね。
そこで、家名や戒名などを彫り入れる銘版(プレート)を多数入れられるような銘版台を置くことが多いのです。
宝塔本体と銘版台が組み上がれば、いよいよ仕上げという段階に移っていきます。
区画手前には張り石を、裏などはコンクリ打ちを施して、周辺もきれいに整備していきます。
また、上の写真で見て手前側は、間知石(けんちいし)が組まれていて、参道からの高さの差がかなりありますので、そちら側からも上りやすいように間知石に沿って石の階段を設置します。
花立、銘版台、さらに墓地の供養塔であることを記した小型の石碑も建てまして、一通りの作業が完了ということになります。
美しい宝塔の立った合祀墓が姿を見せました。
なかなかの大きさで、全体として優美であると同時に迫力も感じられる仕上がりになっているのではないかと思います。
これから多くの方を供養していくことになる墓所になるかと思います。
そんな仕事に携わることができたのは、弊社としても光栄なところです。
五条西山共同墓地での合祀墓の建立工事、これにて完成です。
奈良をはじめ、近隣地域でのお墓工事のご用命は池渕石材まで。
お墓のリフォーム工事も新規建墓も、あるいは戒名彫刻から墓じまいまで、お墓のことなら何でもご相談承っております。
また、水・虫の入らない特許構造のお墓「信頼棺®」は、奈良市内では弊社のみが取り扱っております。
ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
右下の「詳細はこちら」よりお問い合わせフォームが開きますので、そちらも是非ご利用ください。
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合祀墓、というのはこのところ増えてきているお墓の形態のひとつです。
いわゆる永代供養墓の一種でもあります。
「合祀」とはどういうことかと言いますと、個人が区別される個別の納骨スペースを設けずに、どなたのお骨も一箇所に納められることを表現します。
最近は個人や家単位でのお墓を作らず、こういった合祀形態での供養を求められる方が増えているということで、お寺さんなどからご相談いただくことも多くなっています。
さて、このほど合祀式の墓所を作ろうということになったのは、弊社のすぐ近く、いつもお世話になっている五条西山共同墓地です。
こちらは地域の方々が墓地管理委員会に相当する墓郷総代会という組織を作り、墓寺である念仏寺さんとともに運営を行なうという、自治的な墓地ですが、そちらでもいよいよ合祀式の墓所を建立しようという気運が高まり、ありがたいことに弊社にお声掛けいただきました。
今回は少し長くなりますが、その工事についてご報告したいと思います。
墓地側と相談して合祀墓を作っていくとなると、まず現場を確認し、どういった大きさの構造物を建て、どのような外観にするか、など打ち合わせることが多々あります。
一般的なお墓ですと、巻石の内側に和型石塔や洋型石塔を建てるということになりますが、合祀墓の場合は中心に立つモニュメントが石塔になる場合もあれば、観音様のような仏像を置くこともあります。
今回は納骨のための扉が取り付けられる丘カロート的な形の構造物の上に、笠付きの宝塔を建てさせていただくことになりました。
ではまずは敷地をご案内しましょう。
次のような場所です。
五条西山共同墓地は大きな墓地で、入口も何箇所もあるのですが、こちらは墓寺である念仏寺さんの正面の入口から伸びる参道の脇にあります。
最初の現場写真を撮りに行ったのが夏場でしたので、古い巻石が置かれた内側はかなり雑草が生えていますね。
区画の大きさ的には、2メートル×3メートルくらいはあるかと思います。
実際の工事を行なったのは、10月から12月にかけてでした。
作業としては、まずもちろん現場の草を刈り、古い巻石を撤去し、基礎を打ち、新しい巻石を巻き、納骨室と丘カロート部分を作り、その上に宝塔を据え付け、さらに傍らには個人の名前を刻む銘版を入れるための銘版台を置く、ということになります。
あわせまして、参道側から上に上がりやすいように石段を取り付け、区画の手前や背後のスペースを敷石やコンクリ打ちで整備したり、といった作業も行ないます。
なかなか盛りだくさんの大きな仕事となるわけですが、このような仕事を任せていただけるのも光栄なところです。
では実作業の報告に入っていきましょう。
まずは区画内の草刈りですね。
最初に現場確認に行った夏場の段階では、季節的なこともあって雑草がかなり伸び放題になっていました。
実際の仕事に取り掛かったのは秋になってからのことですので、多少は枯れ気味になっていましたが、ともあれ区画をきれいにすることから始めるのは当然のことです。
草取り、削土を行なって、区画内をすっきりさせたところが上の写真です。
古い延石が区画を囲っているのがよくわかるかと思います。
中央に立っている白い杭には「墓郷管理地」と書かれています。
個人が使っている区画ではなく、墓地が管理している区画であるという表示ですね。
「墓郷」というのは、地域の古い言葉で墓地の管理運営に携わる自治的な地域組織のことであり、いわば墓地管理委員会に相当するというのは、上に記したとおりです。
さて、この古い巻石も解体撤去して、完全に新しい巻石を基礎から据え付けることになります。
ご覧のように巻石を外して区画を更地の状態にしました。
この古い延石は持ち帰って処分することになります。
新しい巻石を据え付けるにあたっては基礎打ちを行ないますが、その段取りは通常の個人のお墓を作る時と同様です。
まず基礎を打つべき場所をきれいに片付け、下を支える杭を打ち込みます。
その上にクラッシャー(砕石)を敷いて鉄筋を組み、コンクリを打つ、という手順です。
なお、上の写真の手前側には間知石(けんちいし)の石組みがありますので、杭は打ちません。
鉄筋はいつものようにレール状に組みます。
上の写真、鉄筋の幅が少し広くなっている箇所がありますが、巻石のくり階段にあたる場所です。
つまりその部分が区画の正面になります。
さて、木の板で型枠を組みまして、基礎のコンクリートを流し入れ、形を整えます。
この写真ですと、向かって左が区画正面になるというのがよくお分かりいただけるかと思います。
これがきちんと乾けば、次に新しい延石を据えていけます。
区画の内側には張り石を施すということもあり、気持ち背が高めの巻石になります。
というわけでこの次は巻石の据付に入るわけです。
きちんと基礎打ちを終えている場合、巻石を置いていくのはそれほど難題ではありません。
基礎は仕上がりの高さから逆算して打たれていますし、延石は寸法通りきれいに切られたものですので、もちろん重い石で大変とはいえ、位置を合わせて据えていけばいい、ということになります。
昔ですと、長い石を全部きれいにカットするのは大変だったので、外に見える部分だけを美しく加工し、外から見えなくなる足元なんかはギザギザのままで、現場で高さを合わせるのが職人の腕の見せ所、ということでもあったようですが、昨今は完全加工された延石ですので、そういった苦労はほぼありませんね。
古い巻石を解体して、そのまま組み直すという場合はまた別ですが。
さて、今回の巻石ですが、一般の墓所に使うものと同様のくり階段型で、階段の両脇や四隅など、要所には補強用の金具が入ります。
写真二枚目の左の方をご覧ください。
コーナーにはL字型の金具を入れるのに対して、延石を二本継いだ部分には真っ直ぐの平たい金具を使います。
こうして巻石が出来上がってくると、次は合祀墓の納骨スペースを作ります。
これも通常のお墓のカロートと同様に、板石で箱を組むといった形になります。
一般的な納骨室より薄い部材を使っているのは、普通の納骨室はその上に乗る墓石本体を支える必要がありますが、こちらはそういった必要がなく、純粋な納骨のためだけのスペースだからです。
巻石の内側、納骨スペースの周囲には新しい土とクラッシャーを入れて、よく締めます。
転圧をかけず、踏めば足が沈むような状態の土に石塔など建てると、すぐ傾いてしまいかねませんからね。
土を締めるのも非常に大事な工程のひとつです。
土は巻石の内側いっぱいに入れません。
というのも今回、巻石の内部は玉砂利で仕上げるのではなく、石張りで仕上げることになっているからで、その分土は延石の天端より下げておく必要があります。
こんな感じでとりあえず一段落ですね。
この先、納骨用の扉を付けた基壇部分と石張り、基壇の上には宝塔を建てる、などしていきます。
では基壇から参りましょうか。
石塔の基壇部分、というのはどういうことかと申しますと、先に見たようにまず地下に納骨スペースを設けております。
その上にいきなり石塔を建てるのではなく、納骨の際に使用する扉の付いた、地上構造物を組みます。
単純に言えば、扉付きの石の箱を据え、その天板の上に石塔を乗せる、という段取りになります。
というわけでまた基礎です。
上に載せる石塔(宝塔)も含め、かなりの重量を支えることになりますので、クラッシャー(砕石)を敷いた上にしっかりと鉄筋を組みます。
あわせまして、墓所内には板石を張っていきます。
普通の墓所ですと、区画の中は土を敷いた上に玉砂利を入れることが多いですが、個人の墓所でも石張りをさせていただくことはあります。
雑草など生えにくく、見た目にもきれいなので、お勧めできる工事だと思います。
次のような感じで工事は進んでいきます。
基壇部の一番下、石塔で言えば芝台に当たるところが組み上がり、張り石も三分の二ほど終わったというところですね。
石張りは区画の全体に施します。
一目瞭然かとは思いますが、目地を揃えず互い違いに配置していくのがきれいに仕上げるコツです。
特に基壇部の周囲は、現場加工で板石の形を合わせていかなければいけない、という部分が手間になります。
さて、基壇部分もさらに上を組んでいきます。
四隅に柱を立て、正面が扉、残り三面が壁、という作りになります。
左右の壁に丸い穴が開けられているのは、通風孔です。
もちろん、このまま単なる穴では中が覗けてしまうので、後からステンレスのガラリを取り付けます。
全体として、かなり形になってきたのがおわかりになるかと思います。
残っている主な作業としては、天板を設置して石塔を据えること、銘版台を二台設置すること、区画周辺を石張りやコンクリ打ちで整備すること、参道から上がるための階段を付けること、などです。
こう列挙すると、まだやるべきことは多いですね。
写真は基壇に天板が載ったところです。
免震パッドを置いているところは、通常の石塔工事と同様です。
今回助かったのは、広い参道のすぐ脇にある区画ですので、現場のすぐ横にトラックを付けて作業することができたところでした。
上の写真でも、トラックの白い車体が右側に少し写っています。
搬入なども楽になります。
さて、向かって左に少し写っているのが銘版台です。
普通の墓地ですと、家族単位のお墓になりますので、石塔には「○○家」と刻まれることが多く、故人の戒名(法名)は石塔の側面や、別に霊標を設けて彫り入れることになります。
ところが合祀墓は家族親戚等に関係なく、どなたでも入れる墓所ですし、かなりの人数を供養することが想定されますので、石塔本体に彫り入れるとか普通のサイズの霊標を建てるといったことでは間に合わないわけですね。
そこで、家名や戒名などを彫り入れる銘版(プレート)を多数入れられるような銘版台を置くことが多いのです。
宝塔本体と銘版台が組み上がれば、いよいよ仕上げという段階に移っていきます。
区画手前には張り石を、裏などはコンクリ打ちを施して、周辺もきれいに整備していきます。
また、上の写真で見て手前側は、間知石(けんちいし)が組まれていて、参道からの高さの差がかなりありますので、そちら側からも上りやすいように間知石に沿って石の階段を設置します。
花立、銘版台、さらに墓地の供養塔であることを記した小型の石碑も建てまして、一通りの作業が完了ということになります。
美しい宝塔の立った合祀墓が姿を見せました。
なかなかの大きさで、全体として優美であると同時に迫力も感じられる仕上がりになっているのではないかと思います。
これから多くの方を供養していくことになる墓所になるかと思います。
そんな仕事に携わることができたのは、弊社としても光栄なところです。
五条西山共同墓地での合祀墓の建立工事、これにて完成です。
奈良をはじめ、近隣地域でのお墓工事のご用命は池渕石材まで。
お墓のリフォーム工事も新規建墓も、あるいは戒名彫刻から墓じまいまで、お墓のことなら何でもご相談承っております。
また、水・虫の入らない特許構造のお墓「信頼棺®」は、奈良市内では弊社のみが取り扱っております。
ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
右下の「詳細はこちら」よりお問い合わせフォームが開きますので、そちらも是非ご利用ください。