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西大寺奥之院の五輪塔

2015/12/07



お墓の形式の一つに五輪塔というものがあります。

四角い竿石の上に丸い玉石を乗せ、さらに笠石と宝珠を戴いた立派な石塔であり、きちんとした仏教思想に基づいて日本独自の発展を見た供養塔の形態です。

ただ今回は、単にお墓としての意味合いを超えた、石造美術としての五輪塔についてご案内したいと思います。
というのも、私どもは奈良で石屋の店舗を構えているわけですが、我々の会社からほど近い西大寺さんに五輪塔の最高傑作と呼ばれる作品があり、これは是非ともご紹介させていただきたいものだからです。
西大寺と言っても、中心の境内から少し外れた体性院、通称・奥之院にある五輪塔がそれです。

地元の者でなければ少しわかりにくい場所なのですが、奈良市北西部のターミナルである近鉄・大和西大寺駅の南口を出て、西南西に向かって徒歩10〜15分ほどのところです。

おそらく日本で最も有名な五輪塔でしょう。
外観は一番左側の写真を見ていただければ、と思います。
小さなサイズの写真ですが、なんとなくこの一枚からだけでも、五輪塔のオーラというか迫力のようなものが伝わってこないでしょうか?

この五輪塔、西大寺中興の祖と呼ばれる叡尊の廟所ともなってまして、美術史的には鎌倉後期の五輪塔様式の完成形と評価されているようです。
実際、生で拝見するとその造形美は素晴らしいものです。今私の手元にある『奈良県史第七巻・石造美術』(名著出版、1984年)でも、いささか興奮気味に次のように述べられています。

「中央広場に広大な壇上積式基壇を設け、その上に繰形式反花座を置いて、高さ三三五aの五輪塔を安置したもので、その堂々とした大型五輪塔の姿は最高に優美である」(133-134頁)

一言でいえば、五輪塔という造形様式の極致を体現しているのが、この作品だというわけです。

上に掲載した写真は、私の手になる非常に拙いものですが、その造形バランスの良さや重厚さ、優美さといったものの片鱗でも汲み取っていただければ幸いです。

さらにこの体性院の敷地の西側は地区の共同墓地となっており、奥之院墓地と呼びならわして、我々もよく仕事をさせてもらっているのですが、こちらの墓地内にも鎌倉後期の同形式の大型五輪塔が二基並んで建っていて、これまた壮観を呈しています。

しかしあまり多弁を費やすというのも、芸術鑑賞の上では野暮でしょうから、こんなところで。
あまりクローズアップされることはありませんが、隠れた観光名所であるのは間違いありません。奈良にお立ち寄りの際は、是非足を伸ばしてくださいませ。


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