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屋敷墓〜関東地方のお墓の一類型

2016/08/30



私この27・28の土日は私用にて、ちょっと埼玉まで出かけておりました。
埼玉県北部の深谷というところになりますが、台風の影響でしょうか、あちらはかなり涼しくて、もう秋の気配といった印象でした。
そして奈良に戻ってきたらさぞかし暑いんだろうと思っていますと、こちらも意外と残暑が緩んでいて、二度びっくりというところです(笑)

さてせっかく遠出したついでということで、あちらのお墓を少し写真に収めてきましたので、簡単に紹介してみましょう。
 
奈良あたりでは、霊園や寺墓地以外の昔ながらのお墓というと、地域で管理運営しているような共同墓地が主流ですが、関東ではまた異なった形態のお墓があります。
まずはやはり写真でご確認いただくのが早いでしょう。
上に掲載したお墓の写真をご覧ください。
 
それぞれの家で所有している土地の一部を利用して、各家のお墓が建てられているという形です。
いわゆる屋敷墓、屋敷墓地と呼ばれるお墓形態の一種ですね。
道路沿いの畑地の真中や、家の庭先などにいきなりお墓が現れたりするので、結構驚きます。

しかも巻石を二段も三段も重ねたり、石塔を複数建てるような立派なお墓が多いのも特徴です。
もちろん一般庶民すべてが、このようなお墓を作ることができたわけではなく、長くその土地に根付いた勢力のあるお家がほとんどなのでしょうが、関西ではあまり見られないものだけに興味深いです。
石屋としては、こんな風に広いスペースで他家のお墓とも隣接していないとなると、施工が楽だろうなあ、なんて思ったり(笑)

前にも少し触れましたように、関西の共同墓地というのは、現代の町村のルーツともなった「惣村」という集落が室町期以降に形成されてきた際、その集落墓地として出来上がってきたものだとする理解が主流です。
しかしお墓の形態がこれほど違うと、少なくとも関西と北関東の間では、集落形成のあり方や共有地の使い方など、相当の差異があったのだろうか、などと考えたくなります。
まあ門外漢がいくら頭をひねっても仕方ないところで、歴史の専門家にお任せしたいところですけどね。

他にも同じ埼玉の別の地域で、「○○家」という同じ苗字の方ばかりが集まった墓地も見たことがあります。
関東では、集落というよりも家族や親戚、一族といったより血縁的で小さなコミュニティを単位として、お墓が管理されていたのかもしれませんね。
 
われわれ石屋業界の者は、特に深い考えもなく、「お墓は日本人の基本的な文化」などと申したりしますが、お墓というのも日本全国一律なわけではなく、一皮めくれば多様性に満ちているというのは面白いですね。
埋葬に対する意識というのも、結構地域によってバラバラの意味付けがあったりするのかもしれない、なんて思います。
そう考えると、お墓について語るのも、自分たちが仕事をしている地域だけを知ってわかったつもりになるのではなく、もっと見聞を深めなければと反省するのです。
また今後とも、遠出する機会などあれば、是非その地域のお墓も取材してご報告しようと思います。


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