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柱石の選定:茶室材料
2016/07/28



先日、京都の鞍馬まで行ってきたというご報告をしました。
お付き合いのあるお寺さんが境内に茶室を作られるということで、柱石を求めておられたのですが、鞍馬地方で採れる鞍馬石というのが、こういった用途にぴったりで有名な銘石なんですよね。
そこで採石場まで案内され、茶室の柱石に使えそうな形状とサイズのものを見繕ってきたのですが、その時の模様はどうか前の記事をご参照ください。
↓↓
「鞍馬石を求めて」http://www.e-isi.co.jp/cgi-bin/info/index.cgi?no=38
ちなみに前回もちょっとご説明しましたが、柱石とはどのようなものかというと、写真左をご覧ください。
和式の建築で、柱の下端を支えると同時に、飾りとして見せる意味合いもある石です。
柱にはかせるということで、沓石(くついし)と呼んだりもします。
現物の鞍馬石は、写真中央のようなものです。
ちょうど両手で抱えるくらいの大きさです。
鞍馬石ももちろんいろいろなサイズがあるのですが、こういった柱石に使いやすい大きさの玉石を産出するのが、重宝される一つの理由だそうです。
で、実際に使用するよりも多少数に余裕を見て、鞍馬石を持ち帰って来ました。
そして先週末になりますが、茶室の全体を施工される建設会社の方々に来ていただき、どの石を使うか選定してもらったというわけです。
その際の様子が写真右になります。
実際に茶室を立てる際の配置を大まかに再現しながら、石の表情も確認して、どの石をどのような向きで使うか決めておられます。
われわれも石そのものについてはプロですが、茶室を建てるだとか、柱との相性といったことになると専門外ですので、じっと見守ります
使う石と配置が決まれば、今度は墨かけをしてもらいます。
そのままの玉石の上に柱を載せることはもちろんできませんので、柱をはめるためのホゾ穴の位置を決める作業です。
ここでの墨かけに従って石に穴をうがち、その上で納品となるわけです。
今回、柱との兼ね合いもあるので、柱石の据付施工も建設会社さんの方でやっていただいた方がよいだろうということになりました。
が、茶室というのは意外と石を使う建物であり、石の文化といったものを垣間見るような気分になるものでして、弊社が関わらせていただく局面もまだ少々ある予定です。
またそちらもご報告できればと思います。
