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新しい霊標の設置工事:鹿畑墓地
2021/09/03



今回ご紹介するのは、新規霊標の設置工事です。
お墓の区画内に、新しい霊標を置かせていただくという作業になります。
場所は奈良市と隣接する生駒市、鹿畑町の共同墓地です。
奈良先端科学技術大学院大学の近くですね。
弊社からは車で30分はかからないくらい、というところでしょうか。
霊標というのは、これまでも何度かご説明したことがあったかと思いますが、亡くなった方のご戒名や生前のお名前、没年月日等を彫り入れる板石です。
お墓に置かれる過去帳と考えていただければよいかと思います。
浄土真宗では戒名と言わず、法名と言いますので、霊標のことも法名碑と呼びます。
では作業の方に入っていきましょう。
まずは区画内の霊標が置かれる場所を削土し、クラッシャー(砕石)を敷いてメッシュ筋を置き、基礎とします。
この上に霊標台の板石が据えられることになります。
霊標というのは、関西では、霊標台の上にさらに「下駄」と呼ばれる一対の支え台を固定し、その上に霊標本体を乗せる、という方式のものが多いです。
上の写真一枚目が霊標台です。
このように板石からステンレスのパイプが飛び出している光景も、霊標の施工事例紹介ではすっかりお馴染みになりました。
下駄および霊標本体にも、場所を合わせて穴が開けられ、このステンレス棒を通せるようになっています。
霊標がこけるような事態を少しでも防ごうという工夫で、転倒防止施工と呼んでいます。
今回は、霊標工事に合わせまして、雑草対策も施します。
こちらの墓所では、固まるタイプの草の生えにくい土ではなく、固まらないタイプの防草土を使用します。
写真二枚目です。
土の表面を覆っていた草を取って、新しく敷いた防草土を均しただけでも、かなりきれいになった印象がありますね。
写真右端に見切れているのが、新しい霊標です。
「下駄」と呼ばれる台が、たしかに下駄っぽい雰囲気があることなど、おわかりいただけるでしょうか。
ところで戒名と言いますと、昔、江戸時代くらいのお墓は墓石の正面に戒名を刻んで、個人をお祀りするものが主流でした。
夫婦の戒名を並べて刻んで供養するタイプの夫婦墓も少なくなかったと思います。
しかし明治時代に入って家制度の確立とともに、お墓も「○○家」と正面に刻まれるタイプのものが増えていき、戒名は墓石の側面に刻まれることが多くなっていきました。
しかし個人ではなくその家に連なる方全員のご戒名を彫り入れるには、石塔の側面だけでは足りない、ということも往々にして生じます。
そこで、ご戒名だけをまとめて彫り入れる霊標というものがクローズアップされてきた、というのが霊標の歴史だと簡単に言えるかと思います。
写真三枚目をご覧ください。
雑草対策を施した墓所の中に、きれいな霊標が据え付けられました。
新しい霊標の石が輝いています。
鹿畑墓地での新規霊標の設置工事、これにて完成です。
