お知らせ情報インフォメーション
新規霊標設置工事:五条西山共同墓地
2018/05/07



久々に施工事例のご紹介です。
今回は新しく霊標を設置するという工事になります。
霊標というのは、字面だけではイメージしにくい方もおられるかもしれませんが、墓所で石塔の横などに立っている衝立、あるいは屏風のような形状をした板石でして、表面には故人の戒名(法名)や没年月日などが刻まれています。
奈良県をはじめ関西圏では、「霊標」という呼び方がされることが多いですが、地域によっては「墓誌」と呼ぶのが主流のところもあります。
また浄土真宗の場合、その教義上、霊魂の存在を認めていないため、「霊標」ではなく「法名碑」と呼びます。
「戒名」ではなく「法名」という用語を使用するのも、真宗独自のものですね。
さて、今回の現場は五条西山共同墓地というところです。
弊社から車で五分ほど、世界遺産の唐招提寺からやや西に入ったところに位置する大きな共同墓地です。
きちんと数えたことはありませんが、弊社が施工に入らせていただくことが最も多い墓地のひとつです。
作業をさせていただく墓所は次のようなところです。
写真一枚目をご覧ください。
既にクラッシャーとメッシュ筋を施工して、霊標台の基礎が用意されています。
石塔の向かって右側になります。
この基礎の上に、霊標台の板石を据え、下駄と呼ばれる支えを設置して、その上に霊標本体を乗せるわけです。
霊標台には前後二箇所に丸い穴が開けられています。
次の写真を見ていただけるとわかりやすいかと思います。
霊標の本体と下駄石にも穴が開けられており、この芯棒を通して設置することになります。
こうすることで、霊標がより倒れにくくなります。
写真に写っているボードには、「転倒防止施工」と書かれています。
石というのは相当に重いものでして、霊標でも基本的には自重で安定するのですが、やはりセーフティネットは多重化しておくに越したことはありません。
写真三枚目ですが、戒名彫刻を施された霊標本体を置くと、工事完了となります。
それぞれの家にどのようなご先祖様がいたのか、どんな方々がその家の歴史を紡いできたのかに、思いが馳せられます。
いわば石でできた過去帳というわけですね。
今回も無事きれいに施工させていただくことができました。
五条西山共同墓地での新規霊標設置工事、これにて完成です。
