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お墓の基礎知識〜土用について
2016/02/05
一昨日が節分、昨日が立春と季節の節目が訪れ、心なしか奈良では少し寒さも緩みを見せているような気がいたします。
ところで突然ですが、この節分・立春という区切りをもって、冬土用の期間が終わったということをご存知でしょうか?
土用って夏にウナギを食べるだけの話ではないんですよ。まあ今どき土用の由来や意味合いというものを気にする業界も少ないかもしれませんが。
しかし石屋というのは実は、土用に気を遣う業界の一つなのであります。
ウィキペディアあたりで調べていただければすぐにわかることなのですが、簡単に説明しますと、土用というのは古代中国の五行説に由来します。
五行説では、万物を構成する元素を水・金・火・木・土の五つとし、春夏秋冬にそれぞれ木・火・金・水を割り振ります。
残った土はどうなるのかというと、これが四つの季節の変わり目に当てられるわけです。
具体的に述べると四立、すなわち立春・立夏・立秋・立冬の直前約18日間が土用となります。
ですから土用は夏だけでなく、一年に四回あるわけなんですね。
ちなみに季節を分ける土用の最後の一日が「節分」ですので、実は節分も年に四回ということになります。
さて、その土用がなぜお墓と関係あるのかという話になるわけですが、一つの慣習的意識として、土用の期間中は土の気が盛んになるということが昔は信じられ、土を掘ったり動かしたりする作業が避けられたそうです。
土用前から着手していた作業はオーケーとか、土用中でも間日(まび)と呼ばれる日は問題ないとかいろいろルールもあるようですが、いずれにせよお墓も当然、土を触る仕事ですので、場合によっては現場作業を控えることがあります。
迷信と割り切ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、現代でも農業に携わっておられる方など、土用を気にされる方はいらっしゃいますし、我々の仕事はそういった方々のお心を汲まないと成り立ちませんので、慣習的な事柄はやはり大事にします。
今はもう、そういうことを気にされないお施主様が多数ですけどね。
ちなみに夏の土用の丑の日にウナギを食べるというのは、江戸時代に定着するようになったみたいですね。きっかけについては諸説あるとのことですが、売れないウナギ屋からの相談を受けた平賀源内の発案によるという説が最も有名だそうです。
お墓の基礎知識というよりは豆知識でした。
