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延石補修工事:あやめ池神社
2018/07/31



本日も施工事例のご紹介です。
今回は延石の補修工事のご報告です。
延石と言っても、お墓の巻石の類ではありません。
記事タイトルにもありますように、今回は神社の延石の補修です。
神社でどのようなところに延石が使われているか、すぐにはピンとこない方も少なくないかもしれませんね。
神社というと、神域を玉垣で囲っている場合が多いですが、その周辺に延石が使われていることがあります。
今回ですと写真一枚目のようなところですね。
奉納の石柱をつないで、ぐるっと玉垣が立っていますが、その足元を縁取っている延石が工事の対象です。
写真をご覧いただくと、延石同士の合口にズレができてしまっているのが、おわかりになるでしょうか。
これは、片方の延石が実質的にコンクリから外れ、固定されていない状態になっているからです。
ちょっと触っただけですぐに落ちる、とまではいきませんが、力を込めて押したり引いたりすると、たしかに石が動くのがわかります。
またこちらのあやめ池神社、車ですと少し行きにくい場所にあるのですが、すぐ近くに小学校があり、自転車などの通行量も多く、結構人通りのあるところですので、万が一を考えると早めに作業しておきたいところでした。
小学生が遊んでいて石が落ちる、なんてことがあれば、大変な怪我にもつながりかねません。
というわけで、このような状態の延石を全部で四本、補修して付け直すのがこちらでの主な仕事です。
まずは補修対象の延石を一本ずつ、完全に外してしまいます。
場所によって既に縁が切れている箇所もありますが、まだくっ付いているところは、ノミなど使ってセメントをはつって石を外します。
普通に作業するのであれば、ここから石本体と据える場所とを掃除し、新しいセメントを付けて、隣の石との違和感がないように延石を据え直す、という段取りになります。
しかしそれだけでは芸がないというか、せっかく据え直しをするならば、ということで、もうひと手間加えます。
どういうことかと言いますと、ズレ防止のダボを施工します。
延石にドリルで穴を開け、写真二枚目にあるようにステンレス棒を入れます。
この石を据え直す位置から計算して、土台の方にも穴を開けます。
きちんと石を置けば、このステンレス棒がダボとなって上下をつなぎ、仮に再びセメントの縁が切れるという事態になっても、それだけでは石が外れないようにする工夫です。
それなりに効果はあると思います。
同様の作業を、四本の延石すべてについて、順次行なっていきます。
これ、発想としてはシンプルですが、実作業としては決して簡単なものではありません。
穴がちょっと斜めに開いてしまえば、ステンレス棒を最後まで押し込めませんし、もちろん採寸して穴を開けているとはいえ、石同士の合口、高さなどをきれいに揃えて据え直すには、十分な技術が必要です。
職人が上手く仕上げてくれたと思います。
朝から作業を始めて、四本の延石をきちんと補修するのに、丸一日かかりました。
最後の写真は、仕上がった様子です。
レッドコーンを置き、トラロープで囲っているのは、まだセメントも接着剤も完全には乾いていないからです。
先にも触れました通り、人通りが多く、特に小学生が遊んでいくような場所ですので、危険なことがあってはいけません。
念のため、ということですね。
しかしこれほど暑い日が続くと、セメントにしろ接着剤にしろすぐ乾きそうですね。
ロープは翌日に外しに来ました。
あやめ池神社での延石補修工事、これにて完成です。
