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彼岸月
2018/03/12

いつの間にやら彼岸月に入っていました。
春の嵐が日本列島を通り過ぎたのは、今月初頭のことでしたか。
三月最初の日は奈良でも、滅多にないほどの強い風が吹き荒れました。
春一番、というのとはまた違うのでしょうか。
気象の詳しいことはわかりませんが、一気に暖かくなってもきましたね。
まあ三寒四温とも言いますように、このまま一直線に春満開とはならないのでしょうが、ここ数日、現場作業では早くも汗をかくほどです。
梅はもう盛りを過ぎるくらいですが、早いところでは桜が咲きはじめたりもしているようです。
季節の変わり目というのは、えてして気候も不安定になるものです。
お墓業界でも、三月は雨が多く天気が変わりやすいので、仕事は余裕を見て日程を組み、進められるときには仕事を詰めて進捗させなければならない、などとよく言います。
このあたりは、経験的に言い伝えられているところなんでしょうね。
なぜ特に三月の気候に敏感になるかというと、最初に申し上げたように、この月が彼岸月だからです。
当インフォメーション欄でも何度かご説明しているように、近年ではお彼岸お盆にこだわってお墓を建てる、という方も減ってきている印象もありますが、それも比較的、という話でありまして、お盆やお彼岸の節目はやはりお墓の仕事がよく動く時期ではあります。
一昔前ならいっそうのことだったでしょう。
そういえば日も長くなってきましたね。
気が付けば、という感じです。
まだ日の出はゆっくりですが、夕方は本当に明るい時間が延びてきたように思います。
お彼岸というのは、言うまでもなく一日の昼の時間と夜の時間が等しくなる春分の日、および秋分の日を中心にした春と秋の一週間のことで、この期間中にお墓参りをなさる方も多いと思います。
なぜこの時期にお墓参りかというと、昼と夜が等しいというのは、あの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も接近する頃合いであると解釈され、亡くなったご先祖様の世界が一番身近に感じられる季節だからということだからだそうです。
仏教の教義に基づいた信仰というよりは、民俗的な宗教感覚を濃厚に感じますね。
おそらくずっとずっと昔は、夜と昼の長さが同じになる日というのが、農耕カレンダーの上でひとつの節目と意識され、農業に関する儀礼がおこなわれたりしたんではないでしょうか。
それが祖霊信仰や仏教とも混淆して、今みたいなお彼岸→お墓参り、という慣習が定着したんじゃないかと想像します。
実証できるわけではありませんが……。
ともあれ、いろんな花が芽吹き、虫や小動物の動きも活発になり、何かと気分も軽くなって浮き立ってくる時期なのはたしかだと思います。
そして宗教的なことは別にしても、ちょっとお墓に参って気持ちいい季節でもあります。
そんな時期に開眼や法要を予定しておられるお施主さんたちのためにも、わたしたちもしっかり仕事をこなしていきたいと、月が改まって気持ちも新たにする次第であります。
