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2023-06-05
今回ご報告する工事は、お墓のリフォーム工事の事例です。
現場となる墓地は、奈良が誇る世界遺産のひとつ平城宮跡の少し北側、歌姫町という地域に位置する共同墓地です。
当該の墓所は、代々の石塔と五輪塔が並んで立っており、手前にはお地蔵さまもあるという立派な区画です。
ひとまず現場の写真をご覧いただくとわかりやすいかと存じます。
次のような墓所です。
石塔が傾いているのは、この写真でもなんとなく見て取れるでしょうか。
巻石の方がわかりやすいかもしれませんね。
正面から見て左側の延石が、前石とズレて浮き上がるような形になっています。
また、ローソク立ての風防も右側のものがなくなっています。
おそらく巻石の内側で土が痩せてしまったせいでしょうか、区画内に四枚置かれた拝石も、波打つように傾いていました。
そこで行なうのは、リフォーム工事の中でも、今回の表題にございますように「フルリフォーム」です。
つまり、墓所全体にかかわるリフォーム工事ですね。
具体的に言うと、石塔だけでなく巻石まで一旦すべて解体し、基礎工事を施して一から据え直します。
こういった工事を行なう際は、「区画をひとまず更地にして」という言い回しになることが多いのですが、今回は全部一気に解体してバラした部材を置いておけるだけのスペースが近くに確保できませんでしたので、石塔と巻石のリフォームを別で進めていく、という段取りになります。
そこでまず巻石の解体からです。
とりあえずお地蔵さまとローソク立て、拝石は先に外しておき、玉砂利を撤去しますと、延石やくり階段の解体に入っていきます。
墓じまいと違い、これらは撤去して処分してしまうわけではありませんので、傷つけたり欠けたりしないよう丁寧に扱うのはもちろんのことです。
こうして四方の巻石を外して搬出しました。
上の写真に見られるのは区画の入り口部分ですので、奥の方は写っていませんが、墓石と五輪塔はまだそのまま残っています。
なお、墓石の竿石についてはご戒名の追加彫刻もありますので、弊社に持ち帰ることになります。
さて、こうして延石をバラした後は早速、きれいに復元するための準備、基礎工事です。
基礎の手順につきましてあらためて簡単に触れておきますと、まず基礎下の杭を打ち、その上にクラッシャー(砕石)を敷いて転圧をかけます。
さらにその上に鉄筋を電車のレール状に編んで置きましたら、準備完了です。
鉄筋がきれいに編まれたこの状態は、なんとなく目を惹きつけるものがあり、私は好きです。
この上にセメントを使って、正確に言うとセメントと砂を水で練ってモルタルよりは固いくらいの粘度にした、われわれが「バサ」と呼んでいるものを使って、延石を据え付けていきます。
裏石、左右の延石、前石がこれも左右、中央にくり階段の上下と、巻石の部材は全部で七つです。
上の写真のような感じで石が据わりました。
こうやって水平を合わせてきっちり据え直すと、前から使っている石でもパリッと新しいもののように見えます。
この角度からは非常に見えにくいのですが、四隅とくり階段の左右という計六箇所、石の部材同士の継ぎ目になっているところには、内側にステンレスの金具を取り付けて補強してあります。
目を凝らしていただきますと、左右の隅にステンレスの端がちらりと覗いております。
いや、わざわざ探していただくのも恐縮ですので、ちゃんとした金具の写真も載せておきましょう。
こんな風にL字型の金具を使用しています。
なお、真っ直ぐの延石を単純に二本継ぎしているような箇所のために、真っ直ぐな形状の平金具というものもあります。
石に打ち込んだアンカーボルトに金具を引っ掛け、ナットで締める、という構造になっています。
これに続きましては、石塔と五輪塔を解体しまして、傾き直しを兼ねた復元作業に入っていきます。
写真は石塔を解体して、下の納骨室まで撤去したところです。
五輪塔は特別な基礎が施されず、土の上に直に据える「土据え」という仕方で建てられていましたので、このような穴にはなりません。
もっとも、組み直しに際してはいずれも基礎からやり直しますので、石塔の分と五輪塔の分と合わせて床掘りを行ないます。
基礎工事の手順は巻石の時とほぼ同様です。
石塔の下には納骨室が組まれます。
五輪塔の下には納骨室は設けませんが、地下の台石として大谷石を据えますので、納骨室を入れるのと同じだけ床掘りを行なって土を掘り下げます。
そこに杭を並べて打ち込みまして、クラッシャー(砕石)を敷き、軽く転圧をかけて土を落ち着かせます。
さらにその上に鉄筋とメッシュ筋を組みます。
ここに再び、セメントと砂を水で練ったバサというものを使って、向かって左側には石塔用の納骨室となる御影石の石棺を、右側には五輪塔の台となる大谷石を据え付けることになります。
復元する石塔の大きさに合わせて、納骨室の部材などは既に作って持ってきておりますので、それを入れて固定します。
この上に石塔および五輪塔の下台を置いて、さらに上台、竿石、五輪塔の場合は玉、笠、宝珠と組み上げていくわけです。
右側のような基礎はあまりご覧になったことがないかもしれませんが、いわゆる納骨室を作らない場合でも、地面の下にこういう延石を入れて石塔の足元を安定させるという施工は、古いお墓の場合でもたまに見られます。
石塔の基本部分が組み上がっていきましたら、引き続いて今度はその前に置かれていた拝石の据え直し、さらに草の生えにくい土の施工などにかかります。
拝石も薄い板石と思って侮るなかれ、きちんと土を少し掘り下げ、クラッシャーとメッシュ筋を敷いて固めます。
それ自体は軽い板石といっても、拝石という名の通り、お墓の前で手を合わせるために踏まれる石ですので、累積で考えるとかなりの荷重に耐える必要があります。
単に土の上に置いただけですと、しばらく経つうちに踏まれやすい方が沈んでくるなど、板石とてやはり傾きます。
どんな部分であれ基礎が肝心ということですね。
草の生えにくい土はいつも使用しているお馴染みのものでして、たっぷりの水で締めると堅くなり、雑草が根を定着させにくくなるというもの。
100%雑草を予防できるというわけではありませんが、定期的にお墓参りに行かれるなら、その都度の草むしりがかなり楽になるのは実感できるだろうと思います。
最後にローソク立てに新しい風防を取り付け、玉砂利を敷けば出来上がりです。
やはりリフォームを行なうと、「シュッとした」感じになりますね。
墓所全体が引き締まった感じがあります。
歌姫墓地でのお墓のフルリフォーム工事、これにて完成です。
奈良をはじめ、近隣地域でのお墓工事のご用命は池渕石材まで。
お墓のリフォーム工事も新規建墓も、あるいは戒名彫刻から墓じまいまで、お墓のことなら何でもご相談承っております。
お気軽にご連絡ください。
右下の「詳細はこちら」よりお問い合わせフォームが開きますので、そちらも是非ご利用ください。
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今回ご報告する工事は、お墓のリフォーム工事の事例です。
現場となる墓地は、奈良が誇る世界遺産のひとつ平城宮跡の少し北側、歌姫町という地域に位置する共同墓地です。
当該の墓所は、代々の石塔と五輪塔が並んで立っており、手前にはお地蔵さまもあるという立派な区画です。
ひとまず現場の写真をご覧いただくとわかりやすいかと存じます。
次のような墓所です。
石塔が傾いているのは、この写真でもなんとなく見て取れるでしょうか。
巻石の方がわかりやすいかもしれませんね。
正面から見て左側の延石が、前石とズレて浮き上がるような形になっています。
また、ローソク立ての風防も右側のものがなくなっています。
おそらく巻石の内側で土が痩せてしまったせいでしょうか、区画内に四枚置かれた拝石も、波打つように傾いていました。
そこで行なうのは、リフォーム工事の中でも、今回の表題にございますように「フルリフォーム」です。
つまり、墓所全体にかかわるリフォーム工事ですね。
具体的に言うと、石塔だけでなく巻石まで一旦すべて解体し、基礎工事を施して一から据え直します。
こういった工事を行なう際は、「区画をひとまず更地にして」という言い回しになることが多いのですが、今回は全部一気に解体してバラした部材を置いておけるだけのスペースが近くに確保できませんでしたので、石塔と巻石のリフォームを別で進めていく、という段取りになります。
そこでまず巻石の解体からです。
とりあえずお地蔵さまとローソク立て、拝石は先に外しておき、玉砂利を撤去しますと、延石やくり階段の解体に入っていきます。
墓じまいと違い、これらは撤去して処分してしまうわけではありませんので、傷つけたり欠けたりしないよう丁寧に扱うのはもちろんのことです。
こうして四方の巻石を外して搬出しました。
上の写真に見られるのは区画の入り口部分ですので、奥の方は写っていませんが、墓石と五輪塔はまだそのまま残っています。
なお、墓石の竿石についてはご戒名の追加彫刻もありますので、弊社に持ち帰ることになります。
さて、こうして延石をバラした後は早速、きれいに復元するための準備、基礎工事です。
基礎の手順につきましてあらためて簡単に触れておきますと、まず基礎下の杭を打ち、その上にクラッシャー(砕石)を敷いて転圧をかけます。
さらにその上に鉄筋を電車のレール状に編んで置きましたら、準備完了です。
鉄筋がきれいに編まれたこの状態は、なんとなく目を惹きつけるものがあり、私は好きです。
この上にセメントを使って、正確に言うとセメントと砂を水で練ってモルタルよりは固いくらいの粘度にした、われわれが「バサ」と呼んでいるものを使って、延石を据え付けていきます。
裏石、左右の延石、前石がこれも左右、中央にくり階段の上下と、巻石の部材は全部で七つです。
上の写真のような感じで石が据わりました。
こうやって水平を合わせてきっちり据え直すと、前から使っている石でもパリッと新しいもののように見えます。
この角度からは非常に見えにくいのですが、四隅とくり階段の左右という計六箇所、石の部材同士の継ぎ目になっているところには、内側にステンレスの金具を取り付けて補強してあります。
目を凝らしていただきますと、左右の隅にステンレスの端がちらりと覗いております。
いや、わざわざ探していただくのも恐縮ですので、ちゃんとした金具の写真も載せておきましょう。
こんな風にL字型の金具を使用しています。
なお、真っ直ぐの延石を単純に二本継ぎしているような箇所のために、真っ直ぐな形状の平金具というものもあります。
石に打ち込んだアンカーボルトに金具を引っ掛け、ナットで締める、という構造になっています。
これに続きましては、石塔と五輪塔を解体しまして、傾き直しを兼ねた復元作業に入っていきます。
写真は石塔を解体して、下の納骨室まで撤去したところです。
五輪塔は特別な基礎が施されず、土の上に直に据える「土据え」という仕方で建てられていましたので、このような穴にはなりません。
もっとも、組み直しに際してはいずれも基礎からやり直しますので、石塔の分と五輪塔の分と合わせて床掘りを行ないます。
基礎工事の手順は巻石の時とほぼ同様です。
石塔の下には納骨室が組まれます。
五輪塔の下には納骨室は設けませんが、地下の台石として大谷石を据えますので、納骨室を入れるのと同じだけ床掘りを行なって土を掘り下げます。
そこに杭を並べて打ち込みまして、クラッシャー(砕石)を敷き、軽く転圧をかけて土を落ち着かせます。
さらにその上に鉄筋とメッシュ筋を組みます。
ここに再び、セメントと砂を水で練ったバサというものを使って、向かって左側には石塔用の納骨室となる御影石の石棺を、右側には五輪塔の台となる大谷石を据え付けることになります。
復元する石塔の大きさに合わせて、納骨室の部材などは既に作って持ってきておりますので、それを入れて固定します。
この上に石塔および五輪塔の下台を置いて、さらに上台、竿石、五輪塔の場合は玉、笠、宝珠と組み上げていくわけです。
右側のような基礎はあまりご覧になったことがないかもしれませんが、いわゆる納骨室を作らない場合でも、地面の下にこういう延石を入れて石塔の足元を安定させるという施工は、古いお墓の場合でもたまに見られます。
石塔の基本部分が組み上がっていきましたら、引き続いて今度はその前に置かれていた拝石の据え直し、さらに草の生えにくい土の施工などにかかります。
拝石も薄い板石と思って侮るなかれ、きちんと土を少し掘り下げ、クラッシャーとメッシュ筋を敷いて固めます。
それ自体は軽い板石といっても、拝石という名の通り、お墓の前で手を合わせるために踏まれる石ですので、累積で考えるとかなりの荷重に耐える必要があります。
単に土の上に置いただけですと、しばらく経つうちに踏まれやすい方が沈んでくるなど、板石とてやはり傾きます。
どんな部分であれ基礎が肝心ということですね。
草の生えにくい土はいつも使用しているお馴染みのものでして、たっぷりの水で締めると堅くなり、雑草が根を定着させにくくなるというもの。
100%雑草を予防できるというわけではありませんが、定期的にお墓参りに行かれるなら、その都度の草むしりがかなり楽になるのは実感できるだろうと思います。
最後にローソク立てに新しい風防を取り付け、玉砂利を敷けば出来上がりです。
やはりリフォームを行なうと、「シュッとした」感じになりますね。
墓所全体が引き締まった感じがあります。
歌姫墓地でのお墓のフルリフォーム工事、これにて完成です。
奈良をはじめ、近隣地域でのお墓工事のご用命は池渕石材まで。
お墓のリフォーム工事も新規建墓も、あるいは戒名彫刻から墓じまいまで、お墓のことなら何でもご相談承っております。
お気軽にご連絡ください。
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