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2023-01-18
お墓の引っ越し、という仕事があります。
その名の通り、お墓一式をある場所から別の場所へ移動させることです。
お墓の使用者さんご自身が引っ越しするのに伴ってお墓を引っ越しさせるというケースもあれば、田舎のご両親が亡くなるといった事情で別の土地にいる息子さんなどがお墓を承継し、自分が住んでいる場所に近い墓地にお墓を持ってくるといったケースなど、さまざまな場合があります。
弊社でも、奈良に引っ越しさせてくるお墓を福井まで取りに行った、という経験もあります。
お墓の引っ越しとなりますと、石塔や霊標類といった墓所の内側に立っているものだけを移動させることが多いのですが、今回はさらにレアなケースで、巻石も元の墓地から移動させてきて再利用します。
つまり石塔類だけでなく、墓所全体の完全な引っ越しです。
今回の引っ越し元は山口県でして、弊社が引き取りに行くのではなく、地元の石屋さんに解体工事をしてもらい、移転先となるこちらの墓所の区画サイズに合わせて巻石を切るなど加工してもらった上で、運送屋さんに奈良まで運んでいただきます。
それを受け取りまして、我々の手で墓所設置工事を行なう、という流れになります。
移転先となる墓地は、奈良市のお隣、大和郡山市の市営墓地です。
正式名称は「大和郡山市公園墓地」です。
大和郡山市は金魚の養殖でも有名な町ですね。
現場は次のような区画になります。
写真の空き区画に、お墓を引っ越しさせるわけです。
ところでこの大和郡山市公園墓地というところ、非常に興味深い墓地でして、まず一つの敷地の中に市営墓地区画と地域で管理される共同墓地区画が共存しているんです。
で、それだけなら弊社の近くの南山墓地なども同様なんですが、こちらの郡山の墓地はさらに、墓地内にいくつも古墳があるんです。
墓地内の案内図も次の通りです。
区画が整然と並んでいる中に、不規則な形で表示されている空白地が古墳だそうです。
で、この古墳も遺跡として保存されているのではなく、それぞれの墳丘が共同墓地として使われています。
写真では読み取りにくいかもしれませんが、古墳に「〇号墳」と記された上に、「地元共同墓地」と表示されています。
おそらく古くから墓地として使われ続けてきて、現在の形に至ったものだろうと想像されます。
それにしてもなかなか珍しい墓地だとは思います。
もっとも、古墳というのも探せば日本中に見つかるものでしょうし、それと知らずに墓地となっている遺跡というのも相当数存在するのかもしれませんけどね。
ちなみに管理棟の横、墓地の駐車場内にはきれいな墳丘が一つ残っています。
では実作業のご紹介に入りましょう。
まずは現場に巻石を据え付けるため、土を掘ります。
床掘りというやつです。
普通は区画面積をいっぱいに使うような形で巻石を設置するわけですが、今回は別の墓地にあった巻石を加工して再利用しますので、間口は区画に対して少し狭くなります。
つまり左右の隣接区画との巻石との間隔がやや広くなります。
床堀を済ませましたら、今度は足元を支える杭を打ち込みます。
杭が頭まで入りますと、その上にクラッシャー(砕石)を敷き、さらに鉄筋をレール状に組んで基礎とします。
その上に持ってきた巻石の部材をセメントで固定しますと、巻石の据え付け完了ということになります。
ご覧のように、新しくステンレスの補強金具も内側に取り付けております。
これがあるかないかだけで、巻石の耐久力がかなり変わります。
続きまして、石塔の真下の地下部分にお骨を安置するスペースである納骨室を作ります。
これも基本的な手順は巻石とほぼ同じです。
杭打ち、クラッシャー(砕石)とメッシュ筋の施工、大谷石の納骨室の据え付け、となります。
納骨室の準備ができますと、次は石塔に取り掛かります。
まず芝台と呼ばれる部分です。
一般に和型石塔は竿石・上台・下台の三段で一式となっています。
竿石というのは「○○家之墓」などと彫り入れられる部分です。
その下に二重の台石を置いて、ワンセットの墓石というわけです。
しかし近年では、さらにその下に四ツ石の台を置いて、石塔の背を高くすることが増えています。
この最も下に来る台が芝台と呼ばれるものです。
四ツ石組みの芝台の形式そのものは、関西で施工されるものと同様ですね。
ただこちらの石塔の場合、花立などは芝台の上に置かれず、手前の板石の上に配置されるので、芝台の前石は他の部分と幅が変わりません。
関西式の場合、芝台の上に水鉢や花立が置かれることが一般的なので、四ツ石の前石はもっと幅があるものになります。
いつものように免震パッドを挟みまして、この芝台の上に下台を据えます。
またも関西との比較で恐縮ですが、こちらでは下台を一個ものの石で作るのが普通です。
中央に納骨穴が刳られており、普段は水鉢に隠れています。
ところがこちらの石塔ですと、下台は二個の部材の組み合わせで出来ています。
目地を見ていただくとよくおわかりになるでしょう。
正面はやはり開口部が取られており、普段は蓋石でカバーしておく構造になっています。
このように、ひと口に和型石塔と言っても、地域によってちょっとしたディテールが異なっており、一見同じように見える日本のお墓にも多様性があるというのは面白いところだと、いつも思わされます。
お墓の引っ越しをはじめとする作業で、他地域のお墓を目にする機会を頂けると、実に勉強になります。
なお、台石の上に乗っている白いものが地震対策の免震パッドです。
さて、墓石本体の据付がほぼ終わりましたら、今度は土が見えている部分に雑草対策を施していきます。
草の生えにくい土というものです。
水で締めると堅くなり、雑草の根などが定着しにくくなります。
お墓参りの際の草むしりなどのお手入れが格段に楽になると思いますよ、
お墓の雑草に悩んでいる方は、是非ご相談ください。
そうして最後に玉砂利を敷きますと、作業完了です。
関西でよく見る和型とは一味違う石塔が姿を見せました。
なかなか迫力が感じられます。
左右の区画に比べて巻石の背は低いのですが、石塔自体の印象はまったく遜色がありません。
大和郡山市公園墓地でのお墓の引っ越し工事、これにて完成です。
奈良をはじめ、近隣地域でのお墓工事のご用命は池渕石材まで。
お墓のリフォーム工事も新規建墓も、あるいは戒名彫刻から墓じまいまで、お墓のことなら何でもご相談承っております。
お気軽にご連絡ください。
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お墓の引っ越し、という仕事があります。
その名の通り、お墓一式をある場所から別の場所へ移動させることです。
お墓の使用者さんご自身が引っ越しするのに伴ってお墓を引っ越しさせるというケースもあれば、田舎のご両親が亡くなるといった事情で別の土地にいる息子さんなどがお墓を承継し、自分が住んでいる場所に近い墓地にお墓を持ってくるといったケースなど、さまざまな場合があります。
弊社でも、奈良に引っ越しさせてくるお墓を福井まで取りに行った、という経験もあります。
お墓の引っ越しとなりますと、石塔や霊標類といった墓所の内側に立っているものだけを移動させることが多いのですが、今回はさらにレアなケースで、巻石も元の墓地から移動させてきて再利用します。
つまり石塔類だけでなく、墓所全体の完全な引っ越しです。
今回の引っ越し元は山口県でして、弊社が引き取りに行くのではなく、地元の石屋さんに解体工事をしてもらい、移転先となるこちらの墓所の区画サイズに合わせて巻石を切るなど加工してもらった上で、運送屋さんに奈良まで運んでいただきます。
それを受け取りまして、我々の手で墓所設置工事を行なう、という流れになります。
移転先となる墓地は、奈良市のお隣、大和郡山市の市営墓地です。
正式名称は「大和郡山市公園墓地」です。
大和郡山市は金魚の養殖でも有名な町ですね。
現場は次のような区画になります。
写真の空き区画に、お墓を引っ越しさせるわけです。
ところでこの大和郡山市公園墓地というところ、非常に興味深い墓地でして、まず一つの敷地の中に市営墓地区画と地域で管理される共同墓地区画が共存しているんです。
で、それだけなら弊社の近くの南山墓地なども同様なんですが、こちらの郡山の墓地はさらに、墓地内にいくつも古墳があるんです。
墓地内の案内図も次の通りです。
区画が整然と並んでいる中に、不規則な形で表示されている空白地が古墳だそうです。
で、この古墳も遺跡として保存されているのではなく、それぞれの墳丘が共同墓地として使われています。
写真では読み取りにくいかもしれませんが、古墳に「〇号墳」と記された上に、「地元共同墓地」と表示されています。
おそらく古くから墓地として使われ続けてきて、現在の形に至ったものだろうと想像されます。
それにしてもなかなか珍しい墓地だとは思います。
もっとも、古墳というのも探せば日本中に見つかるものでしょうし、それと知らずに墓地となっている遺跡というのも相当数存在するのかもしれませんけどね。
ちなみに管理棟の横、墓地の駐車場内にはきれいな墳丘が一つ残っています。
では実作業のご紹介に入りましょう。
まずは現場に巻石を据え付けるため、土を掘ります。
床掘りというやつです。
普通は区画面積をいっぱいに使うような形で巻石を設置するわけですが、今回は別の墓地にあった巻石を加工して再利用しますので、間口は区画に対して少し狭くなります。
つまり左右の隣接区画との巻石との間隔がやや広くなります。
床堀を済ませましたら、今度は足元を支える杭を打ち込みます。
杭が頭まで入りますと、その上にクラッシャー(砕石)を敷き、さらに鉄筋をレール状に組んで基礎とします。
その上に持ってきた巻石の部材をセメントで固定しますと、巻石の据え付け完了ということになります。
ご覧のように、新しくステンレスの補強金具も内側に取り付けております。
これがあるかないかだけで、巻石の耐久力がかなり変わります。
続きまして、石塔の真下の地下部分にお骨を安置するスペースである納骨室を作ります。
これも基本的な手順は巻石とほぼ同じです。
杭打ち、クラッシャー(砕石)とメッシュ筋の施工、大谷石の納骨室の据え付け、となります。
納骨室の準備ができますと、次は石塔に取り掛かります。
まず芝台と呼ばれる部分です。
一般に和型石塔は竿石・上台・下台の三段で一式となっています。
竿石というのは「○○家之墓」などと彫り入れられる部分です。
その下に二重の台石を置いて、ワンセットの墓石というわけです。
しかし近年では、さらにその下に四ツ石の台を置いて、石塔の背を高くすることが増えています。
この最も下に来る台が芝台と呼ばれるものです。
四ツ石組みの芝台の形式そのものは、関西で施工されるものと同様ですね。
ただこちらの石塔の場合、花立などは芝台の上に置かれず、手前の板石の上に配置されるので、芝台の前石は他の部分と幅が変わりません。
関西式の場合、芝台の上に水鉢や花立が置かれることが一般的なので、四ツ石の前石はもっと幅があるものになります。
いつものように免震パッドを挟みまして、この芝台の上に下台を据えます。
またも関西との比較で恐縮ですが、こちらでは下台を一個ものの石で作るのが普通です。
中央に納骨穴が刳られており、普段は水鉢に隠れています。
ところがこちらの石塔ですと、下台は二個の部材の組み合わせで出来ています。
目地を見ていただくとよくおわかりになるでしょう。
正面はやはり開口部が取られており、普段は蓋石でカバーしておく構造になっています。
このように、ひと口に和型石塔と言っても、地域によってちょっとしたディテールが異なっており、一見同じように見える日本のお墓にも多様性があるというのは面白いところだと、いつも思わされます。
お墓の引っ越しをはじめとする作業で、他地域のお墓を目にする機会を頂けると、実に勉強になります。
なお、台石の上に乗っている白いものが地震対策の免震パッドです。
さて、墓石本体の据付がほぼ終わりましたら、今度は土が見えている部分に雑草対策を施していきます。
草の生えにくい土というものです。
水で締めると堅くなり、雑草の根などが定着しにくくなります。
お墓参りの際の草むしりなどのお手入れが格段に楽になると思いますよ、
お墓の雑草に悩んでいる方は、是非ご相談ください。
そうして最後に玉砂利を敷きますと、作業完了です。
関西でよく見る和型とは一味違う石塔が姿を見せました。
なかなか迫力が感じられます。
左右の区画に比べて巻石の背は低いのですが、石塔自体の印象はまったく遜色がありません。
大和郡山市公園墓地でのお墓の引っ越し工事、これにて完成です。
奈良をはじめ、近隣地域でのお墓工事のご用命は池渕石材まで。
お墓のリフォーム工事も新規建墓も、あるいは戒名彫刻から墓じまいまで、お墓のことなら何でもご相談承っております。
お気軽にご連絡ください。