お知らせ情報インフォメーション
お寺の敷石工事完成:祐楽寺
2017/03/15



祐楽寺さんというお寺さんから敷石工事の仕事をいただいた、ということは前回お伝えしました。
お寺の山門から本堂に通ずる部分を、石を張って舗装してほしいとのことです。
前回の記事では、既存の飛石等を据え直し、床掘りをしたというところまでお伝えしました。
今回はその続きで完成までです。
まずは最初の写真で、現場の様子をご確認ください。
作業風景は二番目の写真です。
こういう風にあーでもないこーでもないと考えながら、石を取っては山に戻し、また山から適当な石はないかと探しては合わせるという、果てしない仕事が続きます。
なにしろ自然石ですので、その場その場でちょうど都合のよい材料が用意されているわけではありません。
しかもただ置くだけでなく、できるだけ四つ目地や通し目地を避け、三つ目地で並べていくのが基本になるというのは、以前の記事で申し上げた通りです。
並べ終えて目地を入れたときにどんな仕上がりになるかとか、参道自体の傾斜に合わせる必要とか、いろんなことを同時に頭に入れなきゃならない仕事になります。
で、ある程度の範囲で並べ方が決まったら、ゴムハンマーで叩いてひとまず落ち着かせていくという流れですね。
パズル好きの方、いかがでしょうか(笑)
ちなみにこの石、石種は何石というのか存じ上げませんが、弊社社長が愛知県の岡崎で仕入れてきたものです。
これ、一見したところ何の変哲もないようでいて、自然石のまま敷石に使えるような平坦面が出る石というのは珍しいのだそうです。
色合いもまた渋く、ところどころサビが出ているようなところもあり、落着きと変化を兼ね備えているとでも言うんでしょうか、味がある石です。
職人がちょっと叩いてみると、相当硬かったそうです。
さて敷石の方は苦労しながらも、なんとか参道の完成イメージができるくらいに伸びていきます。
こちらの仕事はお墓ではありませんが、お彼岸のお寺さんではやはり法要を行なったり、人が集まる機会もあるとのことなので、彼岸入りまでに仕上げてほしいということでした。
お寺さんに来た皆様が、「お、参道新しくなったな」と思ってくれたりすると、われわれとしても嬉しいですねえ。
一通りの石張りが完了しますと、水でバサを締め、表面を拭ってこの時点での仕上げをします。
石張りまで済ませて二日目の作業終了。
あとは目地入れと仕上げの仕事になります。
今さらながらですが、目地というのは、石と石の間に詰め物をするという、いわば化粧に当たるような仕事ですね。
お墓の巻石や石塔なんかを施工するときでも、目地は大事な仕上げ作業です。
で、これだけの張り石に目地を施していくとなると、またこれが結構面倒なのですが……。
頑張るしかないですね(笑)
目地には専用のセメントを使います。
バケツの中で目地セメントを撹拌機を使って練ります。
自動泡立て器のでかいやつ、といったところですね。
そうして作った目地モルタルを少量ずつコテで取って、石の間に押し込めていくのです。
普通のセメントよりも感触としてはややねっちょりしているというか、しっとりしているというか、そんな感じのものでして、キレもいいです。
むろん、ただコテで入れていくだけで美しく出来上がるものではありませんので、あとから水を含ませたスポンジで拭き、仕上げていくのも大事なポイントです。
仕上げ作業というのはどれだけ丁寧な仕事ができるかというのが肝心です。
すべて完成して目地を入れ、拭き仕上げをし、庭の玉砂利も戻して施工完了したところが最後の写真です。
完成写真だけ見ると、まるで以前からこんなだったかという気分になりますね。
ともあれきれいに完成して何よりです。
普段は言うまでもなくお墓の仕事が中心の弊社ですが、たまにこういった工事をさせていただくと、いろいろ勉強になりますね。
先日の記事にも書きましたが、ご住職に喜んでいただければ嬉しいのはもちろんのこと、お寺に参られる皆様からも、この工事をしてよかったと言われるようでありたいですね。
ところで実はこの工事、まだ続きがある予定でして、今回は本堂から山門へ伸びる方向なのですが、その反対側もまた同様に敷石舗装してほしいとのことでした。
ぶっちゃけ、残りの手持ち材料じゃたりないので、また岡崎に取りに行かなきゃなのですが、そちらの工事はいつになりますかねえ。
いずれにせよそう遠くないうちに第二弾工事があると思いますので、またご紹介したいと思います。
まずは今回、参道敷石一次工事、これにて完成であります。
