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コプト正教会のプレート製作・取付:木津川市

2017/09/11



みなさま、コプト教会(コプト正教会)というのをご存知でしょうか。

宗教か世界史に詳しい方なら、聞き覚えくらいあるかもしれませんね。

わたしも聞き覚え程度ですので、少し調べてみました。

いわゆる東方キリスト教の一派で、マリア信仰が強いようですね。

5世紀に行なわれたカルケドン公会議という、キリスト教の最高会議の際に、現在の主流派から分裂して独自の道を歩んできた教派だそうで、主にエジプトで発展してきたみたいです。

エジプトというとアラブの雄というイメージですが、コプト教徒は全人口の5〜10%程度を占めるんだそうです。

かつての国連事務総長として名を馳せたガリさんも、コプト教徒だとか。

 

で、なぜこんな熱心にコプト教の話などしているのかというと……。

なんとこの8月、弊社にコプト教会の方がいらっしゃったのです。

会社の敷地内にやって来た外国人の二人連れを見て、最初は灯篭か何かの見物にでも来たのかと思いました。

しかし一人の方は明らかに聖職者っぽい黒い服を着ておられたので、何なんだろうと思いつつ話を聞いてみました。

ちなみに神父さんのお連れの方が、留学生か何かでしょうか、とにかくかなり日本語に堪能で、安心して話すことができました。

後から調べてみますと、奈良に隣接する木津川市に、日本初のコプト正教会会堂があるのです。

正式名称は「聖母マリア・聖マルコ日本コプト正教会」。

オーストラリア・シドニー司教区の管轄になるんだそうで、神父さんもオーストラリアの方でした。

最初の写真がその教会の建物です。


なかなか洒落た建物ですね。

そして石屋などに来られた理由はと言いますと、近いうちに大きなイベントがあるので、石のプレートに記念の文章を彫刻してほしいということでした。

ところでお二人がいらっしゃったのが8月21日の月曜日。

件のイベントというのが27日の日曜日ということなので、なんと納期一週間以内!


最初は丁重にお断りしようかも考えたのですが、そこはやはり、近隣で教会を運営している宗教者の依頼でもあり、異文化交流の手助けにという思いもあって、引き受けさせていただきました。

しかも後で知ったことですが、このイベントというやつ、全世界のコプト教のトップであるアレクサンドリア総主教タワドロス2世という方が来日するという、ほんとにビッグイベントだったようです。

 

そんな大事な儀式の準備に、なんで納期一週間やねん、というツッコミはさておき、さすがに石のプレート一枚とはいえ発注製作していたのではとても間に合いません。

板石の使えそうな現物を会社から探し出して、なんとか加工することになりました。

ちょうどいい具合に、表面磨きの黒っぽい板石がありましたので、それを先方指定のサイズに切って使用します。

 

たまたまとはいえ、いい感じの石がありました。

この石の上に、教会の偉い方がいらっしゃって儀式が開催された、という内容の記念文を彫刻するわけです。

さてさてどんな感じのプレートになったのか。

写真二枚目をご覧ください。 

最初に聖書の文言が刻まれていますね。

真中に最も大きな文字で名前を記されている、タワドロス2世という方が、現在のコプト教全体のトップなんだそうです。

で、大きなイベントというのは、この方が来日されて木津川にも来られるということで、そりゃ信者の方々にとっては大変なことですよね。

その末端に携われたわれわれにとっても、非常に光栄なことです。

 

プレートの文言は、教会の方がお持ちくださった原稿を、そのまま石に写して彫刻したものです。

ここで少し技術的な話になりますが、原稿担当の職人によりますと、ワープロソフトの字体でよくある明朝体というのは非常に扱いにくいんだそうです。

文字彫刻というのは、石の表面にゴムを貼り付けて行ないます。

ゴムは文字の部分だけが切り抜かれており、そこに高圧のエアで研磨材を噴きつけて石を削っていき、文字以外の部分はゴムで保護されるという仕組みです。

ゴムに細かい文字を切りぬく作業は、今では機械化されていて、コンピュータの原稿作成ソフトと連動したプロッターという自動ゴム切り機で行ないます。

ところがこの機械、基本的にはお墓用のものなので、明朝体のような線の細い文字を小さなサイズで並べると、処理能力を越えてしまい、うまくゴム切りをするための調節に相当難儀したようです。

納期の厳しい今回のような仕事で、最も苦労してくれたのはこの原稿職人です。

字彫り担当の職人も、これだけの細かい文字をひとつも壊すことなく、無事に彫り上げてくれました。

まさに弊社の職人技の結集です。

 

そして今度は取り付けに向かうわけです。

取り付け場所は教会の正面玄関左脇。

教会の方に高さなどを確認して、準備していきます。

この外壁、ALCという材料でできています。

耐火性には優れているそうですが、コンクリートなどと違って軽く弱い材料なので、専用のアンカーを使用しなければなりません。

外壁に穴を開け、アンカーを入れてボルトを突っ込みます。

石の裏側にも非貫通の穴を開けておき、このボルトに引っかけて据え付けるというイメージですね。

もちろんただ引っかけるわけでなく、接着剤も併用します。

あとは位置をきちんと合わせて石を設置するばかり。

石の裏に開けた穴とボルトを合わせ、くっつけると写真三枚目のようになります。

 

思わず自画自賛したくなるくらい感じよく仕上がったと思います。

ちょうど完成したこのときに、弊社にもいらっしゃった神父さんが別の聖職者の方々をつれてお越しになり、ナイスタイミングで確認してもらうことができました。

ほんと、大いに喜んでもらえて、「good job」とか「very nice」的なお言葉をいただきました。

こういう瞬間はほんと、やった甲斐があるなと思いますね。

日曜日の聖別式も無事に終えられたことと思います。

コプト教会の信者さんというのは日本ではごく少数だと思いますが、日本での憩いの場になればいいですね。

仕事の際に対応してくださった方々も、みんな非常にフレンドリーで素敵な人たちでした。

木津川市のコプト教会でのプレート工事、これにて完成です。


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