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お墓の引っ越し:下北山村

2016/09/03



先日はお墓の引っ越しの仕事にて、東吉野の下北山村まで行ってまいりました。

珍しい遠出であり、またこのところ増えてきているお墓の移転ということもあって、当ホームページでもご紹介してみたいと思います。

下北山村は奈良の市街地からですと、車で3時間余り、三重との県境にもほど近く、主要路をそのまま走れば熊野を経て新宮、那智勝浦とめぐる、紀伊半島の修験道霊場の一角です。
紀伊山地のかなりディープなところですね。
少し秋めいてきた晴天の一日だったということもあり、景色は非常に素晴らしかったです。

現場については、写真の一枚目・二枚目をご参照ください。
山あいの集落の畑地を少し上った奥にある墓所です。
写真にある石塔および霊標を解体し、一旦持ち帰ってから、弊社が関わる奈良中央墓苑という霊園に再建立します。
解体作業自体は普段の仕事と特別に違うわけでもなく、一時間ほどで非常にスムーズに済んだのですが、こちらの地元ではあまり馴染みがない点もありましたので、いくつかピックアップしてみたいと思います。

まず花立穴。
弊社が普段扱うのは、穴の直径が1寸6分からせいぜい2寸といったところなのですが、測ってみるとこちらのものは2寸5分ありました。
まあ花立穴の大きさに宗教儀礼的な決まりがあるわけでもなく、使用するステンレスの花筒に対応した穴が開いていればいいわけですが、やはり初見での印象の違いと言いますか、ちょっと面食らいました。

それから霊標に書かれた文字です。
亡くなった方の俗名に続けて、「古」の下に「又」と付けた文字が彫られています。
弊社の地元でよく使うのは、その人が亡くなったことを示す「寂」とか、あるいは少数ですが「亡」とかで、「古」の下に「又」というのは初めて見ました。
文字担当の職人に聞くと、たまーに見る文字だそうです。
で、どういう意味なのかと思い、ちょっと調べてみると、これは「事(こと)」の旧字体なのだそうです。
「AことB」という言い方で「A=B」という対応関係を表しますが、それと同様の使い方なのだということです。
例えば「平成の怪物こと松坂大輔」といった感じになりますかね。
そんな風に戒名と俗名との対応を示す文字だとのことです。

最後にもう一つ驚いたのは、写真三枚目をご覧ください。
竿石から金属のケースのようなものが出てきました。
中を確認してみると、戒名を記した板が納められていました。
竿石の中央に穴を開け、芯棒を兼ねる意味で写経を納めて入れるといったことはあるのですが、今回のようなものは初めて見ました。
そういえば納骨室の内部にも、お骨と一緒に、お菓子やタバコなどを入れた袋が納められていました。
おそらく故人が好きだったものなのでしょうが、納骨室の中にまでお供えするというのも、珍しいケースだと思います。

いや、お墓は慣習文化の塊だといつも自分で言っておきながら、実際さまざまな供養のあり方に直面すると、その多様性には驚くばかりです。
地元以外での仕事をいただくと、そういう面で本当に勉強になりますね。
お墓の世界は奥深いと、あらためて思わされました。
得るものの多い出張仕事でした。


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